定員に達しましたので募集を締め切りました。[2022.10.24]
2022年5月実施時の授業風景
|
教育文化協会は、連合運動の発展に資する労働者教育の全体像を構想し、その第一歩として、連合結成10周年を機に、2001年5月、連合運動の次代を担うリーダーの育成を目的に、「Rengoアカデミー・マスターコース」を開講しました。これまでに480名が受講し、修了生は現在、それぞれの立場から連合運動の一翼を担い、活躍しています。
第22回目の今回は、マスターコース開講の趣旨と会員組織や受講生からの意見・要望、過去21回取り組んだ経験・反省をふまえ、引き続き、受講生出身組織の送り出しやすさと受講生本人の参加しやすさを基本に、①講義科目の前・後期への効果的な配置、②ゼミ生同士の自主的な議論・研究に資する自主研究枠の確保に努め、合宿日程の効果的編成を心がけました。
第22回マスターコース・プログラムのアウトラインは以下のとおりです。会員組織、連合構成組織および加盟組合、地方連合会などからのご参加をお待ちしています。
マスターコースでは、人間・歴史・世界・「場」(※)からのアプローチを重視し、受講生の分析力・構想力の醸成をはかり、問題発見と問題解決の能力向上をめざします。
自らの「考察を深めたい課題」について、ゼミナールでの担当講師からのアドバイスや他のメンバーとの意見交換等を通じて、問題意識の深耕・多角化をはかるとともに、その課題解決方法を見つけ、修了論文にまとめていきます。(「5.修了論文作成にむけたゼミナールの進行イメージ」を参照)。
合宿教育をとおして受講生と講師の「人間としての結びつき」を深めます。
※「場」とは、問題を発見しその解決をはかるときの自分のスタンドポイントのこと
マスターコースは、合宿教育期間と自学・自習期間を組み合わせ1年間で修了します。
集中合宿は、前期、後期の2期制です。
前期終了後から後期開講までの間と、後期終了後から修了論文完成までの間が、自学・自習の期間となります。この期間にはそれぞれ、必修ゼミを配置しています。
必修ゼミでは、ゼミ生は自学・自習期間の成果を発表し、ゼミナール担当講師からアドバイスを受け、後期のゼミへ、さらには修了論文へとつなげていきます。
修了論文については随時、担当講師からメール等で個別指導を受けることができます。
受講生は、2023年7月3日(月)までに修了論文を提出し、教務委員長の監修を経て、9月下旬~10月上旬に予定している修了式をむかえ、1年間のプログラムを修了します。
前期、後期の合宿教育では、授業は講義とゼミナールを併用しておこないます。
講師陣には、それぞれの分野の第一人者の他に、連合会長(Rengoアカデミー校長)や連合事務局長なども加わります。
講義科目は、特別プログラムも含めて23科目です。
講義は、原則、講師からの問題提起、グループワーク、発表などを組み入れておこないます。講義の進め方は、授業60~70分と休憩10分のサイクルが基本ですが、多少、前後することがあります。
受講生は、受講申込の際に、「考察を深めたい課題」を提出するとともに、5つのゼミナールのなかから希望するゼミを選択します。
ゼミナールは、前期3回、後期3回の計6回おこないます。ゼミナールは、原則1回最大3時間(休憩含む)です。
ゼミナールごとの必修ゼミは、前期終了後から後期開始までに原則2回、後期終了後に1回おこないます。
ゼミナールは、5名で編成し、担当講師の指導やゼミ生との議論をとおして各自の課題を修了論文に仕上げます。
ゼミナール大会(後期3日目)では、受講生が修了論文の骨子・仮結論を発表し、ほかのゼミ担当講師から講評を受けます。その後のゼミでは、その講評も含めゼミ担当講師から指導を受けます。
合宿生活は、受講生が実行委員会をつくり運営します。
合宿期間中には、連合会長、連合事務局長、教育文化協会理事長等との交流、懇談の場を設定しています。
前期・後期を受講、修了論文を提出し教務委員長による監修を経て修了となります。
修了生には、修了証を授与します。
◇前期 <2022年11月13日(日)~18日(金)>
[備考]
① 午後の講義終了後、実行委員会のミーティング(M)を行う。
② 前期と後期の間に「必修ゼミ」を2回行う(指導講師の判断で1回でも可)。
③ 必修ゼミに加えて、オンラインでの指導の場を複数回設けることも可とする(前期後に1回、後期後に1回を上限とする。正規の必修ゼミと併せて計5回)。
◇後期 <2023年5月14日(日)~19日(金)> ※(調整中)
[備考]
① 後期終了後に「必修ゼミ」を1回行う。
講義科目は、政策-組織-基礎の3領域、総合戦略-経済産業政策-社会労働政策-組織強化・拡大-組織運営-人間と組織-経済社会と労働の7分野から編成しています。
講義は、連合の戦略的方向性・課題を大づかみに理解し、連合の一員としての自分の役割・課題を確認することからスタートし、基礎から応用・運動へと、順次ステップアップできるように科目を配置しています。
領域 | 分野 | 科目 | 講義時間 |
---|---|---|---|
政 策 | 総 合 戦 略 | 「連合の役割・行動I」 「『安心社会』への戦略を考える」 「連合の役割・行動II」 |
2時間30分 3時間30分 3時間30分 |
経済産業政策 | 「日本の財政と社会政策の課題」 「社会保障のとらえ方」 「グローバル化と労使関係」 |
3時間30分 3時間30分 3時間30分 |
|
社会労働政策 | 「人材活用と人事管理の課題」 「雇用・労使関係の変化と労働法制の課題」 「労働者自主福祉の課題」 |
3時間30分 3時間30分 3時間30分 |
|
組 織 | 組織強化・拡大 | 「連合組織強化の課題」 「労働組合と政治」 「ジェンダー平等と労働組合」 「国際労働運動の課題と対応」 |
3時間30分 3時間30分 3時間30分 3時間30分 |
基 礎 | 人間と組織 | 「アサーティブ・トレーニング」 | 3時間30分 |
経済社会と労働 | 「歴史からみた労働組合の役割」 「労働法の基礎」 「ジェンダーと労働」 「仕事と賃金」 「労使関係の課題」 「地域と労働組合」 |
3時間30分 3時間30分 3時間30分 3時間30分 3時間30分 3時間30分 |
|
特別プログラム | 「論文のまとめ方」 |
1時間 2時間30分 4時間30分 |
|
合 計 | 講義20科目:68時間00分 特別プログラム3科目:8時間00分 | 76時間00分 |
ゼミナール | 前期3回+後期3回 =18時間 | 総時間 | 94時間00分 |
---|
禹ゼミ | テーマ:グローバル化と日本の労働組合 | 講師:禹宗杬 埼玉大学人文社会科学研究科教授 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
目的 |
|
|||||||||
課題(キーワード) | グローバリゼーション/グローバル展開/コーポレート・ガバナンス/経営戦略/雇用の多様化/キャリア・処遇の複線化/産業政策/雇用政策/欧米の労使関係/アジアの労使関係/日本の労使関係の特徴/現場の再構築/雇用・賃金・時間・生活のデザイン | |||||||||
講師略歴 |
|
梅崎ゼミ | テーマ:キャリアと労使関係 | 講師:梅崎修 法政大学キャリアデザイン学部教授 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
目的 |
|
|||||||||||
課題(キーワード) | 産業構造の変動、技術革新、個別的労使関係、キャリアデザイン、生活・地域コミュニティ | |||||||||||
講師略歴 |
|
木本ゼミ | テーマ:少子高齢社会のなかの人間と労働組合 | 講師:木本喜美子 一橋大学名誉教授 | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
目的 |
|
|||||||||||||||
課題(キーワード) | 少子高齢化/未婚化・晩婚化/働くことと家族/労働市場の変動/非正規化/ジェンダー変動/若者の就業問題/女性労働問題/労働-生活時間構造/サラリーマン像の揺らぎ/ワークライフバランス | |||||||||||||||
講師略歴 |
|
橋元ゼミ | テーマ:企業・職場と労働組合 | 講師:橋元秀一 國學院大學経済学部教授 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
目的 |
|
|||||||||||
課題(キーワード) | 採用/従業員構成/非正規労働者(非典型雇用)/配置/教育訓練/賃金/成果主義/人事考課/労働時間/残業協定/労使協議/経営参加/組合組織構造/組合役員 | |||||||||||
講師略歴 |
|
浜村ゼミ | テーマ:労働法と労働組合 | 講師:浜村 彰 法政大学法学部教授 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
目的 | このゼミでは、労働法上の今日的課題について、ワークルールとしての労働法の基礎知識を修得しながら、課題の解決に向けた応用力を涵養するとともに、労働組合としてこうした課題にどのように取り組むべきか、を検討して、主体的に考える力を身につけることを目的とする。
|
|||||||||||
課題(キーワード) | 非正規雇用/フリーランサー/雇用によらない働き方/生活時間と労働時間の規制/高度プロフェッショナル制度/労働者派遣/クラウドワーク/労働者・使用者の概念/労働者代表制度/割増賃金/労働紛争解決制度/不当労働行為/労働基本権/労働法におけるリベラリズム/労働契約法/解雇制限と金銭解決/組合民主主義/労働組合と政治 | |||||||||||
講師略歴 |
|
<参考資料>
今回、第21回Rengoアカデミー・マスターコースを受講して、さまざまな視点から労働運動を学ぶ機会を得られて幸運でした。
コロナ禍においてハイブリッド開催と事務局の配慮もあり無事受講することができました。ありがとうございます。
講義では、それぞれの視点・分野・考え方を濃い内容で学ぶことができましたし、自分の知らない事、知っていても理解していない事など、いろいろと刺激になる内容であったと思っています。その上で、受講生との交流は自分の産別とは違う視点はあっても、思いや考えが一致すると連帯感が生まれ、コミュニケーションの幅を広げてくれるものでした。
ゼミナールでは、先生やメンバーからの意見、自分が他のメンバーに発言して気づくこと等、いろいろと考え、発言し、手に汗握る(ついでに背中も汗)ハラハラ・ドキドキの時間を過ごしましたが、これもいい経験だと思います。
最後に、修了論文ですが、「テーマ」は重要であることを助言します。本当に大切です。どんなテーマでも良いですが、それを貫き通す思い、考え、目標をもって取り組むと良い論文が作成できるはずです。
これから受講される方は、ぜひ楽しんでください。入口のハードルは高くありません、上る階段が高いだけです。かんばってください。
新型ウイルスにより前期は集合、後期は集合+WEBとなり感染症禍での研修会、会議体運営、実施の判断の難しさを考えさせられる研修でした。これまでに様々な研修に参加してきましたがここまでの期間(約1年、ゼミ+論文執筆含む)、規模、密度の学びの場は初めてでした。参加前は参加者それぞれの組織の事はなんとなくわかったつもりになっていましたが、繰り返し行った研修生同士の討議を経るごとに異なる考え方、組織の背景についてより深く理解することができ、「自分は何も知らなかった」ことを強く感じさせられました。
労組、団体それぞれバックボーンの異なる方とまさに苦楽を共にし「同じ釜の飯を食う」こと自体が本当に得難い経験となりました。またゼミに所属し、論文を一本書き上げることは、業務と兼務の中、非常に大変なことでしたが、自分の問いが正しいのか、手法、文献の選択、日頃の疑問をここまで掘り下げることは本研修の醍醐味でしょう。暖かく指導していただいた先生、ゼミ仲間、参加者の仲間たちがいなければおそらくは論文を書き上げることはできなかったと思います。
新たな出会いと多くの気付きを与えていただいた関係者の皆様に改めて感謝します。
詳細を聞かされずに参加した私は、前期の合宿が始まり、他の受講生はみんな論文のテーマが決まっていたり、すでに持っている知識のレベルが高いことに正直驚きました。このまま1週間やっていけるかなぁ…というのが最初の感想です。
前期・後期を通して、すごい講師陣から、日常では聞くことのできないお話を聞くことができる貴重な機会でしたが、それを目一杯吸収しようという気持ちより、どうしても論文執筆への憂鬱な気持ちの方が勝っていたような気がします。気持ちが憂鬱なうえに日常業務、大会、参議院選挙がある中での論文の執筆は本当に大変でした。でも、熱心にアドバイスをくださった先生や、自分のことのように一緒に考えてくれるゼミの仲間がいたから頑張れたと思います。
このRengoアカデミー・マスターコースは、誰でも経験できるものではないです。普段の組合活動だけでは学べない様々なことを学べるうえに、今後も付き合っていけるだろう仲間とも出会えます。だからこそ、送り出す組織は、受講生が合宿や論文執筆に集中できる環境をつくってあげてほしいと思います。そうでないともったいないです!
コロナ禍の中、Webによる参加の方もいましたが、多くのメンバーが対面で参加でき、本当によかったです。ありがとうございました。
第21回Rengoアカデミーの開催は、新型コロナウイルス感染症下であるにも関わらず、運よく前期・後期ともに集合での開催をすることができました。教育文化協会の皆様には、様々な検討・対応をいただき感謝申し上げます。
受講しての感想としては、自分のような経験の浅い者から産別役員の方など、年齢もキャリアも様々な方に接する素晴らしい機会であった反面、他の参加者の発言等を聞いていると、もう少し経験を積んでから参加したかったなと思いました。多くの講義では、自組織や自分の経験に基づいて発言すること、発表することが求められました。自分の考えや意見を言語化すること、他の参加者の意見もまとめながら端的に発表すること、どちらも苦戦しましたが、それらが苦手だということに気づかされるいい機会でした。
ゼミでは、「論文の売りはなんや、悩みを見せなさい」ということを先生には口酸っぱく言われ、調べたけど使わなかった資料・一度書いたけど削除した文章はたくさんあります。業務と並行しての論文の執筆は容易ではありませんが、素晴らしいゼミ仲間にも恵まれ、書き上げることができました。論文を通して問題点を整理することもできました。
とても大変なのはもちろんですが、学習・出会いなど素晴らしい機会になることは保証しますので、ぜひ覚悟を持って参加してみてください。
Rengoアカデミー・マスターコースに参加させて頂き大変感謝しています。2週間という貴重な時間を学びの時間に使わせていただき、大変充実した研修でした。以前参加された先輩からは、「論文は大変だけど、仲間の皆さんと過ごせる時間は、結構貴重だよ」と言われた話を思い出し、正にその通りと実感しています。ゼミでお世話になった先生をはじめ、皆さん気さくな方で、あっという間の時間を過ごせました。
年齢を増すごとに自分の考え方の偏りを感じるようになってきていましたが、違う業種や立場、自分とは違う関わり方や考え方を耳にすることにより、自分でも柔軟な対応を意識できるようになったと感じます。引き続きSNSでの繋がりもありますので、悩んだ時や新たな企画を考えるときの相談者として、これからも頼れる仲間、「マスターコース21期生」と共に頑張っていきたいと思います。教育文化協会(ILEC)の皆様のサポートが何より有難かったです。
Rengoアカデミーの継続と多くの仲間がこの研修を体験できることを強く望みます。