1.労働組合をつくった事例紹介
私が労働組合を立ち上げたのは、今から7年前のことです。自治体の非正規雇用労働者(以下、「非常勤職員」)として職場で働き、その中でいろいろな問題があり、それを解決するためには、自分たちで労働組合を立ち上げて、労働条件や雇用を守っていかなければ、という本当に強い気持ちで労働組合を立ち上げました。
設立してから7年しか経っていない労働組合ですし、皆素人がやっていますので、少しでも労働組合のことを知っていらっしゃる人が見たら、「?」と思うところもあると思いますが、その反面、皆さんと一緒に考えてもいきたいと思っています。
2.日本における非正規雇用者の現状
私の労働組合の話をする前に、全体的な話をしていきたいと思います。総務省「労働力調査」(2013年1~3月平均)によれば、現在、雇用労働者全体の36.2%が非正規雇用者で占められています。人数にすると、1,850万人という数字です。これから、皆さんが社会に出て行かれると、それぞれの企業の中で非正規雇用の人がたくさんいるのではないかと思います。
では、自治体の実態はどうなのかといいますと、2012年に自治労が行った「自治体臨時・非常勤等職員の賃金・労働条件制度調査」(以下、「2012年調査」)では、全体の33.1%、3人に1人が非常勤職員ということでした。2014年の現在ではもう少し比率が上がっていて、自治体職員の6割が非常勤職員というような自治体もあると思われます。
3.自治体で働く非常勤職員の処遇
〈報酬について〉
自治体で働く非常勤職員の処遇を見ると、多くの非常勤職員が年間賃金200万円以下です。手取りでは約170万円でしょうか。そして、多くの非正規職員には昇給制度がなく、何年働いても賃金が上がらないという状況です。私の勤務する町田市の図書館ですと、例えば4月に新たに採用された嘱託員と16年間勤務している嘱託員と全く報酬が変わりません。
昇給制度がある自治体では、保育士では22.2%、図書館職員では15.7%となっています。ボーナスは、支給されないところの方が多くなっています。一時金は、支給があるのは、3~4割前後というところです。支給なしは6割で、私が勤務する町田市では、一時金はありません。月額報酬が決まっているだけです。
〈雇用について〉
非常勤職員の任用期間はほとんどが1年となっていて、1年ごとの任用の積み重ねとなります。したがって、大変不安定な雇用となっていて、常に失業の不安が付きまといます。
また、3年とか5年で雇用年数の上限を区切る自治体は5割以上、どんなに能力があっても、3年あるいは5年でリセットされてしまうという現状があります。働きたくても、そこに仕事があっても働けないということです。
〈休暇について〉
休暇は、夏季休暇は約半数の自治体でありますが、育児休暇や短期介護休暇、子どもの看護休暇は「有給」で1割~2割しか導入されていません。私傷病休暇となりますと、保育士では17.5%、図書館員では21.3%ということで、病気になって休んでしまうと、次の雇用が守られないといった現状があります。
4.自治体で働く非常勤職員の処遇改善・雇用安定に向けて
〈自治体で働く非常勤職員の実態の認知度〉
自治労は、自治体で働く非常勤職員の実態や非正規職員を取り巻く問題を非常に重く受け止めていて、マスコミ対応もしていますし、議会対応も、国会対応もしていますが、世の中での認知度はそれほど高くありません。
早稲田大学メディア文化研究所公共ネットワーク研究会が今年2月に行ったWEB調査(全国の18~74歳の男女2,530人対象)によると、非正規雇用全体の現状を知っていたかという質問で、「詳しく知っていた」が8.5%、「少しは知っていた」が60.0%でした。一方、非常勤公務員の現状については、「詳しく知っていた」が6.5%、「少しは知っていた」が34.3%という結果で、世の中の非常勤公務員の認知率が低いということがわかりました。
先ほども話しましたが、多くの非正規職員の賃金は1年目も16年目も変わらず、一時金も退職金もない、こういった現状には「地方自治法が臨時・非常勤等職員に手当支給を認めない」という問題があります。
費用名称に「手当」と付くと非常勤職員に「手当」は支給できないと解釈する自治体も多く存在します。地方自治法第203条の2で「普通地方公共団体は、その委員会の委員、非常勤の監査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を支給しなければならない」としています。自治体当局はこれを非常勤職員には報酬しか支払うことができないと解釈しているのです。通勤にかかる交通費は「通勤手当」であり支給できないとされ、全体で2割の自治体で通勤費用が支払われていないことが「2012年調査」でわかってきました。(自治体ごとにバラバラで例えば初乗り運賃のみを支払うとか、距離によって通勤費を設定している場合もあります。)
この問題については、2014年7月4日に総務省から発出された通知の中では、「時間外勤務に対する報酬の支給や通勤手当の費用弁償については、適切な取扱いがなされるべきである」と書かれています。このように、非正規公務員の現状と皆さんとの間には認識の違いがかなりあるのではないかと思います。
〈非常勤職員と常勤職員の処遇の違い〉
先ほどお話しした、自治体で働く非常勤職員の処遇をさらに具体的に言うと、休暇では、育児休暇や短期介護休暇、子どもの看護休暇が適用されなかったり、福利厚生では、非常勤職員には、机が一人に1つないとか、常勤職員にはロッカーがあるのに、非常勤職員には段ボール箱が支給され、その中に荷物を入れたりしています。また、非常勤職員は更衣室が使えなくて廊下の片隅で着替えなくてはならなかったり、エプロンが常勤職員と非常勤職員では全く違っていたりとか、そういった面で差別を受けているような職場もたくさんあります。
また、雇用期限の設定では、「3年・5年の壁」というのがあります。民間の有期労働者は、労働契約法が改正され、通算契約期間が5年を超える場合には、本人が希望すれば無期労働契約に転換できるようになりました(これは正規になるというのではなく、雇用期限の定めがなくなるということです)。4年何カ月で雇用を切るような民間の会社もありますが、労働契約法などの法律が適用されない自治体でも、そういった雇用期限の上限を設定しているところがあります。
雇用期限の上限によって、3月31日で職場を辞めていく非正規職員が自治体の中に数多く存在します。保育士、学校給食の場、図書館員、看護師、ケースワーカーといった専門職と言われている人たちが、3年、5年で雇用を切られていくような現状があります。酷いところでは、一生その自治体の試験さえも受けることができないところもあります。この問題を話すと、本当に言葉に詰まってしまうほどですけれども、駒のように使われて捨てられる非常勤職員って何だろうと改めて思います。
5.労働組合の役割―町田市の事例から―
こういった自治体の非常勤職員の課題・問題は、一人では解決できないことです。そこで、労働組合があることによってどのようなことができるかということを、私の職場がある町田市を例にして話させていただきます。
〈町田市の図書館における嘱託員制度の経過〉
町田市の図書館に嘱託員が導入されたのは、1998年の12月です。18年前になりますが、隣接する相模原市立図書館と相互利用を開始することになったからです。その時に利用券を発行するにあたり、臨時職員では個人情報に関わることができないという理由から、急きょ嘱託員制度を導入したという経緯があります。
その時に採用された嘱託員は10名で、月16日勤務でした。町田市の嘱託員は常勤職員の4分の3以下の時間しか働くことができません。
その後、毎年のように、何かサービスが増えるたびに嘱託員が増えていきました。たとえば、火水曜だった夜間開館日がもう一日増えるとか、住民サービスが向上するたびに、嘱託員は増えていきました。
さらに、総務省の定員適正化計画をうけ、2007年に「町田市定員適正化プラン」が策定されました。この計画は、図書館の窓口業務委託により25人の常勤職員を削減するというものでした。
それまでの常勤職員の業務を誰に担わせるのか、指定管理者制度を導入するのか、業務委託にするのか、嘱託員の増員で補うのかということで、館内会議が開かれました。その会議の中で、私たちは発言することはできませんでしたが、最終的には外部委託ではなく、39人の嘱託員を新たに配置することにより図書館を直営でやっていこうということになりました。
現在、職員は174人、うち嘱託員は111人、アルバイトも合わせると非常勤職員は200名以上が勤務するという、数でいうと割と大きな図書館ではないかと思います。
〈嘱託員の現状〉
公立図書館の職員になるにはどのようなパターンがあるかといいますと、まず、自治体の正規職員になり、図書館に配属されるというケースです。ただ、一般職ですと3年か5年で異動になることが多く、ずっと図書館で働けるとは限りません。
もう一つは、自治体の非常勤職員として働くということがあります。こういった人たちは、図書館が大好きでどうしても働きたいという人たちがほとんどです。
ちょっとびっくりするような話をすると、図書館司書が専門職として正規採用募集、全国で40~50人ほどが実態です町田市では、正規職員の司書採用はなく、嘱託員を募集するのですが、若干名の募集に毎回200人ほどの応募があります。応募される人は、ほとんどが新卒で、全国から集まります。概ねそういう人が採用されますので、大学を卒業して入った職場が、非常勤職員の職場ということになります。そして、1年経っても、16年経っても処遇は全く変わらない。本当に本が大好きで、一人暮らしをしながら働いている若い嘱託員がたくさんいます。
〈なぜ労働組合を結成するのか〉
どうして私が労働組合を立ち上げたか、これはいつも紹介をさせていただくのですが、1枚のお手紙がきっかけです。「いろいろありがとうございます。野角さんの元気な声、大好きでした。私が辞めると言ったときに本当に驚いてくれて、私図書館にいていい人間なのかなってすごく嬉しかったです」と書いてありました。この手紙は腱鞘炎にかかってしまった若い仲間が私にあてたものです。彼女は、業務を減らしてもらったりして皆に迷惑がかかるということで退職しました。
図書館の仕事は、勘違いされることが多いのですが、思いのほか肉体労働で、決して楽ではありません。重い本を2時間くらいかけて、毎日何冊も配架しなければならないので、腰も痛めますし、腱鞘炎にもなることもあります。この手紙をくれた女性も腱鞘炎にかかってしまったわけです。この手紙を見て私は、「職場にいていい人間なのか、辞めると言って驚かれて本当に嬉しかった」などと思わなければならない職場ってなんだろうと思いました。また、彼女だけでなく、若い人たちが腱鞘炎で泣く泣く辞めていくのを見てきました。
育児・介護休業法が制度化されて嬉しかったのは、常勤職員は育児休業がありますが、非常勤職員は1か月もなく、仕事が好きでも辞めざるを得なかったからです。また、常勤職員、非常勤職員に関わらず、メンタル疾患になる場合があります。カウンター業務ですからいろいろな利用者がいらっしゃいます。私も利用者からのパワハラを受けたことがありますが、一度そのような体験をすると、カウンターに怖くて出られなくなるといった例もあるのです。そうすると、職場に居場所がなくなってしまいます。メンタル疾患になる若い人がとても多いです。
私は、このような状況はおかしいと本当に思いました。常勤職員が少ないので、ほぼ非常勤職員で回しているような現状でありながら、常勤職員と非常勤職員はどうしてここまで違うのかと改めて思いました。こういった職場を変えていかなければならないと思いました。
新卒で町田市の図書館に入ってきた人が、労働組合の設立にあたりメッセージを寄せてくれました。
「私は図書館司書という仕事に、高い理想と意欲を持って取り組んでいます。常勤職員も非常勤職員も同じだと思います。皆図書館という仕事が大好きで、誇りを持ってこの仕事を続けていきたいと思っています。
しかし、常勤職員と比較して、仕事の内容はそれほど変わらないのに、労働条件は不安定で、報酬も生活を支えるのには心もとない限りです。将来も変わらずに勤務できるのかどうか、雇用そのものに対する不安も常についてまわります。このような状況下で仕事を続ける私たちは、安心して長期にわたる雇用を得られるために、よりよい雇用条件を求めていく必要があると考えました。そこで私たちの要求を少しでも実現させるために、今回労働組合を立ち上げるということに至りました。
今まで小さく弱々しかった小さな声も、集まれば大きな声になって、きっと解決の道が開かれると思います。」
彼女はまだ図書館に勤めています。
6.町田市図書館嘱託員労働組合のこれまでの戦績
〈報酬〉
2007年11月に労働組合を立ち上げたときに、まず求めていったのは報酬です。
アンケートをとったところ、一人暮らしの人が非常に多いことがわかりました。それで、生活費がどれくらいかかっているかというと、3万円未満が2人(多分実家から通っている人と思われます)、3~5万円が2人、5~7万円が5人、7~9万円が10人、9~11万円が9人、11~13万円が4人、13万円以上が5人ということで、93人のうち多くが7万~11万円で暮らしているということでした。この中には、家賃も含まれていて、3~5万円が13人、5~7万円が11人ということで、町田市の家賃相場はワンルームでも5.5万~7万円くらいです。
それまで報酬は、18万3千円でした。手取りでは約15万円になります。これでは生活するにはぎりぎりの金額だと思います。一時金とかがあれば、少しは何かおいしいものが食べられるとか、シーズンに1着ぐらい洋服が買えるとか、旅行にちょっと行けるとかもできると思うのですが、一時金もありませんので、そういう余裕もありません。ダブルワークをしている人もたくさんいて、例えば他の図書館との掛け持ちとか、塾の先生をしているとか、スーパーでレジを打っているという人もいました。
そういったことから、報酬をまず求めていくことにしました。最初、町田市図書館の中に文学館があるのですが、そこで働いている4人の学芸員のベースアップを求めていきました。そうしたところ、次の年には8,800円のベースアップができました。これまで、要求すれば給料が上がるなどとは思いもしなかったので、ベースアップされた時には本当に驚きました。
そして、次の年には、図書館の嘱託員の報酬がアップされました。18万3千円から19万2千円になりました。しかし、そうはいっても、手取り16万円にはならないですが。ただ、一気に8,800円アップしたということで、労働組合の意義を皆で感じたと思っています。
〈育児・介護休業〉
次に要求したのが、育児・介護休業です。これについては、非常勤職員には「法律の壁」があります。臨時・非常勤職員には、パートタイム労働法、労働契約法、男女雇用機会均等法も一部のみ適用でほとんどは適用除外となっています。もちろん、育児・介護休業法も適用除外です。自治体の非常勤職員は、民間労働法制から全く守られていないということです。私は、日本国憲法の生存権も脅かされているのではないかと言っているのですが、それくらい非常勤職員は法律に守られていません。
こういった背景があって、DVDの中で、育児・介護休業が適用除外でなくなったということであんなに喜んでいたわけです。そして、労働組合で要求をして、育児・介護休業が適用になり、病気休業も適用になりました。さらに、それに伴って育児時間も勝ち取りました。また、2011年には、育児・介護休業法が改正になり、改正分も制度化されました。
〈結婚休暇・忌引〉
結婚休暇は、2年かけて勝ち取りました。結婚・忌引き休暇を要求している時に、常勤職員と結婚する嘱託員が3組続いたのですが、そのうち1組が、「非常勤職員の結婚休暇が取れるまで新婚旅行には行きません」と言って新婚旅行を延期してまで闘ってくれたことも本当に嬉しかったです。
結婚休暇と忌引は、非常勤職員も常勤職員と同じ日数を有給で勝ち取ることができました。このことによって、非常勤も人として初めて認められた気がして本当に嬉しかったです。
〈時間外勤務報酬〉
時間外勤務報酬は、「時間外手当」ということで全く支給されていませんでした。そういった中で、サービス残業は常態化していて、サービス残業分を含めて考えれば、時給は500円くらいなのではないかと思うほどでした。
もちろん、時間外勤務はする必要はないし、むしろやってはいけないことなのですが、やはりやむを得ず残って仕事をしなければならないこともあります。2012年4月から、やむを得ず残業をする場合には時間外手当を支払ってもらえるようになりました。
〈継続雇用〉
今後も、継続雇用を確保していきたいと思っています。東京23区にある図書館についていえば、そのほとんどに民間委託業者や、指定管理者制度が入っています。今、全館直営を守っているのは、荒川区と町田市くらいです。そういうことでいえば、これから10年先、私が町田市立図書館で働いているかどうかの保証はどこにもありません。
たとえば、6月議会で提案があり、12月で可決し、翌年4月1日から委託業者に委ねられるということになるかもしれません。私はこの1年間、全国に行っていますけれども、そういうところがたくさんありました。
〈昇給〉
昇給もまだ勝ち取っていません。町田市立図書館では、主任嘱託員と一般嘱託員という職層を入れ報酬をアップさせてきました。報酬をアップさせたと言うと凄いと思われるかもしれませんが、嘱託員のマネジメントもしていながら、たった月1万2千円アップされただけです。昇給については今後も引き続き交渉していきたいと思っています。
〈休暇〉
今、休暇制度のほとんどは無給ですので、これを有給にしていきたいと思っています。
また、ボランティア休暇と骨髄移植休暇を求めています。以前、被災地にボランティアに行くため交渉した際には、「あなたは町田の図書館で採用されて、ここで働くためにいるのだから、被災地に行って支援することはない」とはっきり言われましたし、骨髄移植のドナーの候補に挙がった時にも休暇を取ろうとしたところ、「そんなことはする必要はない」とも言われました。
人のために何かしようとしても、常勤職員にはある休暇制度が非常勤職員にはないというのは、おかしいと思いませんか。一時金支給も求めているところですが、こういったことも、一時金と同じように大事なことだと私は思っています。
〈雇用を守るために〉
今、町田市には嘱託員が約860人います。その中で、労働組合がある職場は、今のところ「雇止め」はありません。しかし、町田市の他の職場は、5年で「雇止め」となります。雇用を守るには、嘱託員である自分たち自身が声をあげるしかいないと思います。
労働組合で勝ち取ったすべての処遇改善は、組合員でないほかの嘱託員にも付与されています。私たちたった109人の労働組合の力が、町田市のすべての嘱託員860人の処遇を勝ち取っているということです。私は、非正規職員が「人として認められる」までは、がんばっていきたいと改めて思います。
7.まとめ
保育や介護、給食職場というのは、とりわけ女性が多い職場です。実際、自治体でも、女性が多い職場に非常勤職員が多い現状があります。私は労働が不当に低く評価されていると感じます。例えば、「図書の貸し出しなんて誰でもできる仕事じゃないか」「保育だって家でお母さんがやっているよね」「学校給食の現場というけれど、うちのお母さんだってご飯作るよ」。そういうふうに女性の職場ということで、専門職でありながら不当に低い地位にあるのではないかと感じます。
そして、そのような職場には、多くの非常勤職員が入っています。非正規職員も常勤職員と同様の仕事をしながら、不安定雇用や、労働条件が低位に置かれています。また、若年層の非正規職員は増加傾向にあります。こういった問題を解決するために、労働組合を結成し、差別の撤廃を求めていく必要があると私は思っています。
最後に、レオ・レオーニの『スイミー』を紹介します。「海の中で、小さな魚たちが、大きな魚に食べられないようにするために、皆で一緒になって大きな魚になる。そのために、決して、離れ離れにならないこと、皆それぞれの持ち場を守ること。」
私は皆に言います。「みんなバラバラで泳いでいたら、雇用も労働条件も守れないよ。だから、一緒になるんだよ。私たちはバラバラだとちっぽけだけれど、皆で一緒になれば大きな魚だって追い出していける。だから、一緒になる、団結しよう」と。
皆さんも、これから社会に出られて就職されると思いますが、労働組合のある職場ではぜひ労働組合に入ってください。また、労働組合がなくても、何かおかしいことがあれば、労働組合を立ち上げることも一つの方法としてあります。2人から労働組合は作れます。仲間を作ることは本当に大変ですが、皆がまとまれば、絶対に良い職場になると思います。
そして、一人で解決できないことがありましたら、連合にお話をしていただいてもいいですし、自治体で働かれるようになれば、ぜひ自治労にご相談いただければと思います。
どうもありがとうございました。