埼玉大学「連合寄付講座」

2009年度前期「ジェンダー・働き方・労働組合」講義要録

第13回(7/22)

修了シンポジウム

パネリスト:古賀伸明(連合事務局長)
山口洋子(連合副事務局長)
横山薫(連合埼玉女性委員会副委員長)
コーディネーター:禹宗梡(埼玉大学経済学部教授)

1.はじめに

禹先生:きょうはいままでの議論を踏まえ、締めくくりのシンポジウムということで、3人のゲストをお招きしました。
  日本では、男女共同参画基本法の施行から10年がたっています。この法律は21世紀の日本社会の最優先課題の一つとして、男女共同参画をうたっているのですが、思った通りにはなかなか進んでいません。そのような状況の下で、労働組合は、その共同参画社会を目指して今まで努力してきているわけです。きょうは、男女共同参画社会の実現に向け、何が成果として考えられ、どのような課題が残されているのか、これからどのようなことを取り組んでいくべきなのかを皆さんと一緒に議論していきたいと思います。
  きょうは、ゲストの方からご自身の経験を踏まえ、今まで、共同参画にどのように取り組んできたのか、お話を聞きます。そして、後半で今後どのような取り組みを進めていくべきかを議論していただきたいと思います。
  では、ご自身が自分の職場、労働組合の場で、男女間の不平等、差別、腑に落ちないと感じ取った経験、何が男女平等を阻害しているのか、その要因というのはなんだろうかというところをまずお話を聞かせていただきたいと思います。自己紹介を兼ねてお話を聞かせていただきたいと思います。まず、古賀事務局長からよろしくお願いいたします。

古賀連合事務局長:連合事務局長の古賀です。私は1975年に電機メーカーに就職し、1979年から労働組合の役員となりました。そして、企業別労働組合で委員長を務めて、産業別組織である電機連合で中央執行委員長を務めた後、2005年から連合の事務局長を務めております。
  男女の不平等、格差を自分自身で感じたのは、どういう時かということですが、1985年に男女雇用機会均等法が制定されました。1985年の均等法の制定の前は、皆さんは信じられないかもしれませんけれども、私の勤めていた会社にも男女別の賃金表がありました。 
  そして、女性だけに若年定年制があり、いわゆる寿退職がありました。その頃は、結婚退職をすると優遇され、退職金が割り増しでもらえる制度がありました。まさに男女の差を如実にあらわした制度が目に見えるものとして、1985年の前には、ほとんどの会社で存在していました。やはりこれはおかしいのではないかと私はその時、感じました。
  そして、1985年に男女雇用機会均等法が制定され、1997年に法改正が行われました。しかし、残念ながら、私どもの立場からいえば、同じ雇用管理区分のなかの差別禁止に限られ、例えば、コース別雇用管理の総合職とあるいは一般職、それと今非常に急増しております正社員と非正規、パートタイマーという格差は歴然と残っています。
  2006年に再び改正論議を行うわけですけれども、この時は、間接差別が大きな焦点になってきました。法律に盛り込ませることはできましたけれども、残念ながら狭く、限定的な結果となりました。したがって、一つは職場、その組織の風土、あるいは意識、これらを変えていくことが非常に重要だということ。それらを後押しする、あるいはそうせざるを得ないように持っていく法律の改定で、きちんと進めていく、このような取り組みを続けていく必要があるのではないかと思います。そういう意味では、我々連合としても、一つずつそれらの課題に挑戦していく必要があります。
  少し歴史を振り返ってみますと、日本が農業中心の社会であった時は、男女は共に働いていました。支えあって農業をしていくことは当たり前でした。そして、明治以降の近代化、産業化においても、繊維産業を中心に男性よりも女性の働き手の比率が、非常に多かった時代もあります。加えまして、第一次世界大戦、第二次世界大戦でも、その時に男性が戦争に駆り出されていく時、仕事をし、家庭を支えたのは女性でした。だから、どうも日本は他国に比べると、女性は専業主婦ということが長く続いたと我々は感覚としてあるのですが、そんなに長く続いていたわけではありません。様子が変化したのは、1945年に第二次大戦が終わった時からで、職場が男性中心になり、女性が職場に出ても結婚までとされ、そのために女性は人材育成もそんなにされないというようなことが起きてきたのではないだろうかと考えられます。
  そういったことを考えると私は、性の役割とか、専業主婦モデルが、歴史的にずっと日本で続いてきたわけではないことが共通認識にあって、議論をすべきではないかと思います。

禹先生:ありがとうございます。では、引き続き山口副事務局長、ご意見を聞かせて下さい。

山口連合副事務局長:みなさん、こんにちは。連合の山口です。2005年から連合副事務局長として活動をしています。
  私が就職した時代は、就職するのが大変難しい時代でしたが、都心のデパートに就職することができました。女性が多い職場だったのですが、女性が多いから、女性が生き生きと仕事をしているかというと必ずしもそうではありませんでした。この「必ずしもそうではない」ということに、どこで気づいたかと言いますと、例えば、入社したばかりの人から20年以上勤めている人に至るまで、女性はほとんど同じ販売職という仕事に就いていました。男性は女性に比べ少ないのですが、そのほとんどがマネージャー、課長、係長の管理職でした。比較的若く見える男性でも、あの人は若いから自分と同じような平社員なのかなと思うと、主任とか肩書きの付いた名刺を持っていたりしていました。
  そういう実態をみて、思っていた職場と違うなと思うようになり、それでいろいろ聞いてみると、仕事の違いだけではなくて、給料もその額が男性よりも女性が低いことがわかりました。その理由が、同じ仕事をずっとやっていると給料は変わらないけれども、上にあがると高くなりそうだというようなことが入社して見えてきました。
  そういうことが見えてきて、入社して1年くらいたった時、女性が多い百貨店なのに、女性で労働組合の役員をしている人が一人もいないので、女性の組合役員を配置しなければいけないという話がありました。多分、その当時の私の先輩たちは断わり、最後に私のところに話が来たのだと思うのですが、基本的に頼まれたら断れないというところがあって引き受けました。
  労働組合の役員を始めた頃は、職場では、まだ男女の格差の認識などはなかったのですが、何か女性は損をしているなという気持ちが、だんだん具体化してきました。「なぜ?こんなに損をしなければいけないのですか」ということを組合のなかで聞いたりしました。きっと、それまでそう思っていても口に出せず、職場で女性達はその不満を言えず悶々としていたのだと思います。でも、私はたまたま組合に誘ってもらったおかげで、その悶々としていることを具体的に言うことができました。例えば、男女別の賃金表について、労働組合はそういうことを問題視できるだけでなく、問題だと思ったら、それを解決するための案を作ってみるとか、あるいは問題だということを執行委員会などに投げかけてみるということを当時の労働組合の先輩たちから教わりました。
  そして、そうした活動をすればするほど給料や労働時間など課題も変わってきました。結果的には、私は労働組合の役員を務めたおかげだと思うのですが、情報を得ることができたことにより、同期の男性と全く遅れることなく昇進・昇格をしましたし、さまざまな役職にも登用されました。仕事を続ける一方で、もっとこういうことも変えられるのではないかと思い続けながら、労働組合の役員を30年以上続けてきました。
 このように、労働組合の役員になったことにより、男女の格差に気がついたことと、自分のキャリアについて話させていただきました。

禹先生:ありがとうございます。横山副委員長から、ご自身の体験を踏まえて、ご意見を聞かせてください。

横山連合埼玉女性委員会副委員長:私は、労働組合で活動を続けながら、公務員の福利厚生を扱う職場で事務をしております。きょうは、私が職場の話と、労働組合の役員として話をしていく部分と2通りあります。自己紹介を含めて、簡単な説明をさせていただきたいと思います。
  私が労働組合という言葉を初めて耳にしたのは、高校の担任の先生が労働組合に加入していて、社会科の授業で労働組合というのは、労働者の権利を守って、差別を徹底的に排除するような組織で、絶対に働く者には必要な組織だということを聞いたことでした。この頃から自分の中で、男とか女とかいうよりも、一人の人間としてどうあるべきなのか、常日頃考えて、働いたりとか、人と接したりとかするような努力をしていたつもりです。
  その中で、女として損をするとはどういうことなのだろうということを、高校時代はわからなかったのですが、高校を経て、1977年に埼玉県職員共済組合に入りました。これは地方公務員の福利厚生を扱う組織です。公務員は男女平等の世界と思われるのですが、確かに民間企業のような男女別賃金表はありませんでしたが、昇進・昇格という部分では、はるかに遅れをとっています。これを間接差別というのですが、そういったことが歴然としている組織です。今もって公務員の組織のなかで、女性の管理職は一人もいないという自治体はたくさんあります。女性の管理職を増やしてほしいという願いをこめて、エールを送り続けている部分もあるのでが、このような職場であることを簡単に紹介させていただきました。
  職場に入って、最初に不思議に感じたことは、お茶入れが女性の仕事だということです。仕事の合間を縫って、一日に4回お茶入れをしたり、片付けをしたりして、8時間の労働時間のうち何時間割り当てているのだろうと感じました。お茶入れは慣例で行われていました。それが今では各自で行われるようになりました。そのほかにも、当時に比べいくつかの男女格差につながることが改善されています。
  なぜ、この職場が変わったのかといいますと、お茶入れということは、職場の雰囲気で、職場の中で変えられるものだったわけです。それをどのようして変えることができたかとかというと、女性の先輩たちが立ち上がって声を上げてくれたことが一番大きな理由です。昭和47年頃の先輩たちが、男性の方に改善要求、お願いをずっと言い続けてきてくれたことが大きな一歩だったと思います。それを手書きで表したものが今も残っています。今、時代が変わり、人が代わり、それが今現在の日常生活でのお茶入れが各自になり、仕事も本当に男女の差なく、女性もきちんと責任を持ってできるようになってきました。また、職場の雰囲気だけでは変えられない処遇などの点については、労働組合が私たち女性の意見をきちんと聞いてくれて、問題を取り上げて、交渉をしてくれたことにより、今このように変わってきたのかなと思います。労働組合はやはり大切だったと、自分が働く現場での声で実感をしています。
  2点目ですが、連合埼玉女性委員会としての取り組みを紹介させていただきます。女性委員会が結成された大きな目的は、女性の地位向上の立場から積極的に働きかけようということです。結成から10年目で「10年のあゆみ」をまとめ、現在は、20年ということで、「20年のあゆみ」をまとめているところです。この20年間、どのような取り組みを行ってきたのかと言いますと、連合埼玉女性委員会として、状況を知ってもらおうということを、行政に働きかけ、制度の改正をお願いしてきました。また、労働組合の意思決定機関である連合埼玉執行委員会に、女性の組合役員を増やしてほしいということを働きかけてきました。
  今は、女性役員の育成が大切なのかなと思っています。組合離れということで、女性の役員の成り手が少なくなっています。どうすれば女性たちに、魅力ある労働組合を見せることができるだろうかと悩んでいるところです。こういったことが、問題ではあるのですが、20年間の運動の成果が少しずつ出てきているのかなと思います。課題については、あとで議論をさせていただきたいと思います。

2.労働組合でのこれまでの取り組み

禹先生:ありがとうございます。三人の方からご自身の体験を踏まえて、男女平等に向けての活動の出発点を聞かせていただきました。学生の皆さんの場合は、社会に出ると、このお三方が経験されたようなことは改善されていると思いますが、でも、営業は挑戦させてもらえないなど、男女の不平等はおそらく経験すると思います。
  では、このような平等参画を阻害している要因が存在するなか、ナショナルセンターである連合、ローカルセンターである連合埼玉として、これらの阻害要因を、どのように克服してきたのかという取り組みを紹介していただきたいと思います。
  例えば、男女雇用機会均等法、育児休業法など、たくさんの法制度の改正も行われてきました。先週の講義でも取り上げられたように、埼玉県では、男女共同参画推進条例が全国で最初に制定されました。そうした取り組みの実現について、皆さんの努力をお聞かせいただければと思います。では、古賀事務局長からお願いします。

古賀連合事務局長:ナショナルセンターの立場から、取り組みについてご報告させていただきたいと思います。先ほど、男女雇用機会均等法の制定から2回の改正の取り組みについては報告させていただきました。加えて、男女平等社会参画基本法の制定というものは、やはり企業・家庭などあらゆる場面で、男性にも女性にも平等に権利と責任を分かち合うことを規定したものです。ですから、男女平等参画に対してきわめて大きな役割のベースを作ったと思っております。こうしたことから、各自治体に女性対策の担当部門・部署の設置がされています。埼玉県は、全国で初めて男女平等参画の条例を制定しました。現在は一部を除いて45、6都道府県で制定をされていますし、全国1,820の自治体のうち、およそ60%で男女平等推進の基本計画の策定をしています。そうした取り組みを、それぞれの場面で地方連合会、連合でも取り組んできたわけです。
  さらに、育児休業法、介護休業法、そして育児・介護休業法の改正にも取り組んでまいりました。我々ナショナルセンターは、法律をきちんと作る、法律を作って、それをあまねく日本全体に広げていくという役割と責任があると思っています。
  もう一方では、経営者に対してこれらの法を守らせるのはもちろんのこと、意識改革や風土改革にどう取り組んでいくのかということを提言、チェックしていかなければなりません。とりわけ、企業ということから考えれば、1985年に男女雇用機会均等法が施行され、そして1990年代から企業の状況がどうであったかというと、女性の感性に注目をする、女性向けのビジネスとか、生活者の視点で商品を開発する、ここに注目をしたのですね。均等法への対応と交錯しながら、これらのことが進んできました。2000年代に入ると、本格的な女性雇用の時代に入っていくわけです。それと同時に日本は、世界に類を見ないスピードで、高齢化が進展し、人口減少社会、少子・高齢社会がやってきました。したがって、性別に関係なく、あるいは年齢に関係なくあらゆる人が働くことを通じて、社会に参画をして、みんなで支えあう社会を作っていかなければならない。そのようなマクロの雇用環境の変化への対応も出てきました。そして、育児・介護休業法も改正されたということで、我々はこうした法律、制度の改正に取り組んできたわけです。
  直近では、私たちは、ワーク・ライフ・バランスの実現を非常に重視しています。2007年12月にワーク・ライフ・バランス憲章とワーク・ライフ・バランス行動指針が政労使で確認されました。これからの日本人の働き方や暮らしを考えれば、ワーク・ライフ・バランス社会を、どう日本に根付かせていくかが非常に重要なことだと私自身は思っています。その第一のポイントは、戦後の労働モデルを変化させていくことです。今日本の労働現場では「男性正社員・長時間労働」がまさに基本のモデルになっているわけです。したがってこのモデルをどう崩していくかということが課題になっています。そのために、経営側に働きかけること、法律を変えること、ワーク・ライフ・バランス憲章と行動指針の規範をつくることなどワーク・ライフ・バランス社会を実現することが、私は男女平等参画社会につながっていくと考えています。これらの運動を展開していく必要があると思っているわけです。一つずつ山を越えながら、これらの課題に挑戦をしていきたいと思います。
  皆さん方に一つ提案したいのですが、我々の世代と皆さん方の世代はずいぶん違うと思います。こういう課題に対して、世代交代というのは一つのチャンスです。今の社会を変えることを、我々から与えられるのではなくて、皆さん自身の力で社会を変革してほしいということをエールとして送らせていただきたいと思います。

禹先生:ありがとうございます。では、山口副事務局長お願いします。

山口連合副事務局長:連合の男女平等局で取り組んだジェンダー平等の推進についてお話したいと思います。これには、いくつかの側面があります。1つの側面としては、法律を作るということです。法律を作るのは国会でしかできないのですが、私たちはその前の段階で審議会の議論等に参加しています。その場では、連合の組合員だけではなくて、すべての国民に影響を与えるという非常に重要な役割を認識して、取り組みをしております。
  ジェンダー平等の視点で言うと、代表的には3つの法律があります。一つは、「男女雇用機会均等法」です。この法律は、新しくできた法律ではなくて、以前あった「勤労婦人福祉法」という法律を改正したものです。この「勤労婦人福祉法」はどういうものかといいますと、女性は働きながらも家事もしなければいけない存在ということを法律で認めて、だから仕事の部分は軽くなるように保護をしなければいけなといった内容の法律でした。それが均等法に改正されて、女性は男性に対して不利益な状況におかれないようにすることを定めた非常に重要な法律となりました。これが施行されてから、これまでに3回改正され現在に至っています。
  3回にわたる改正の都度、規制の強化がされてきております。いま、労働関係法の法律の内容は、ほとんど緩和されてきています。しかし、ジェンダー平等と男女平等参画だけは規制強化がされてきています。このことは、私たちの取り組みだけでなく、全ての女性労働者の思いがそうさせていると考えています。
  もう一つは、パート労働者に対する法律です。パート労働は一つの雇用形態だから、ジェンダー平等には関係ないと思われるかもしれませんが、パート労働者の多くは女性です。このことを考えると、このパート労働者の均等・均衡待遇に沿うような法律していかなければいけないという視点で取り組んで参りました。
  パート労働法の改正に取り組んできましたが、なかなか規制を強化できませんでした。法律があるにもかかわらず、パート労働者の賃金が安かったり、労働条件が悪かったりという状態でした。このことを反省して前回の改正の時には、かなり規制を強化いたしました。低賃金で苦しんでいるパート労働者が多く存在することが、私たちに逆に力を与えてくれて、審議会の場でもより良い法律にしなければいけないということで取り組んできました。結果的にこれは、日本の法律の中で初めて差別禁止法の意味を持ったものとして、改正することができました。
  さらに、「育児・介護休業法」です。これもジェンダー平等の視点で、男女が共に仕事も生活も当たり前のようにできる社会を作るために、基盤となる法律だということで、今回改正をしました。しかし、まだ施行はされていません。これも昨年秋のリーマンショック以降、経済環境が大変厳しい中で法律を強化するということは困難なことでした。企業が法律の対応をしなければいけないということはコストがかかったり、手間がかかったりということで、非常に反対が多かったわけです。ですが、そうはいっても女性労働者の7割が第一子の妊娠出産を機に離職し、働き続けられないという環境を変えなければいけないという思いで、これも変えてきました。この法律が施行されるようになりますと、家庭内のことと思われがちであった、男性が育児に関わることを、大きく前進させることになると思われます。このことが大きな変化と言えると思います。 
  もう一つの側面は、労働組合は法律を変えるだけでなくて、運動を推進していく役割があります。企業での賃金や労働時間といった労働条件は、労働組合がある職場では、そこでの労使交渉で決まります。ただ、これまでは、企業側にも労働者側にも、女性の管理職、組合役員なしで労使交渉、団体交渉が行われてきた経過があります。そういう中では、例えば、ワーク・ライフ・バランスにかかわる制度が不十分であったり、男女の賃金格差が起こってしまったりということがあります。ですので、先ほど横山さんが連合埼玉でも女性役員の育成に取り組んでいるとおっしゃったように、いかに労働組合に女性を参加させるか、女性役員に登用するかということを中心に、連合でもさまざまな運動を展開しています。

禹先生:では、ローカルセンターの視点から、横山さんのお話をお聞かせいただきたいと思います。

横山連合埼玉女性委員会副委員長:ローカルセンターの立場からいいますと、職場での男女格差をなくす取り組みを進める上での障害の一つに、労働組合が何をやっている組織なのか目に見えなかったことがありました。労働組合は、どちらかというと、男性役員のコミュニケーションの中で話を決めて、それを交渉して「こういう結果になった」という話しかしてくれませんでした。女性は労働組合に疎外感をもち、自分たちの権利だけれども、他人の権利のような部分という思いがあったように思います。
  それをどうやって緩和をしたのかと言いますと、情報の共有化に取り組みました。その一つとして、〈スクラム〉という機関誌を20年前に、私たちが声をあげて発行しました。その創刊の第一号は手書きなのですが、当時私ともう一人の男性の二人で作りました。〈スクラム〉という名前は、みんなで肩を組んでがんばっていけるようにということでつけ、今、国と労働組合はこんな交渉をしているよということを、目に見えるようにしたということが第一歩でした。今もこの〈スクラム〉は、私たちの労働組合の機関誌として息づいていて、情報の提供をしています。職場を見ると、細々としたところに男女の隔たりがまだありますが、この情報の共有化は、お互いが近づくことができた一つの要因なのかなというように思います。
  次に、ローカルセンター、地方連合会という立場で考えます。私たちの役割というのは何かと言いますと、連合本部の古賀事務局長、山口副事務局長ががんばってくれるために、私たちは何かをしなくてはいけないわけです。例えば、署名活動を展開したり「こんな課題で困っている女性たちがいるから改善してほしい」という要請をあげたりとか、とにかく声を拾って、その意見を国に持っていく、また、行政機関に働きかけて女性の地位、権利の向上をお願いし続けてきました。
  こうしたことが大きな実になったのが、全国で最も早く、埼玉県で男女共同参画推進条例を制定したことです。条例制定に向け、準備段階から携わった当時の連合埼玉女性委員会の渡辺委員長は「この条例が制定されたことで、私たち女性がやっと一人前に認められる社会になった」と語ったことが最も印象に残っています。一人前というのも不思議なのですが、まだまだ社会の慣例とかで女性が半人前扱いされる時代が多かったなか、時代が変わってこうしたことを実感できることがものすごく大切なのだと思います。
  私たちはこれからも連合埼玉という地域に根差した運動を展開し、連合本部の古賀事務局長や山口副事務局長にこのようなことをして下さいということを要望し続けていく存在なのかなと思っています。それを頑張らなければいけないと思っております。

禹先生:ありがとうございます。皆さん、いかがでしょうか、今までお三方の話を聞いて、皆さんの肌に伝わってきているでしょうか。おそらく皆さんの中では、実感できないということがあるかもしれません。ただし、勉強ということは、今後皆さんのために非常に役に立つものであろうと思いますので、引き続きお話をお聞かせ願いたいと思います。
  さて、僕らはいろいろと議論してきました。その中で出てきた意見をお三方にぶつけていきたいと思います。でも、あまり時間がないので、皆さんの中から出てきた質問の一つだけを選んで、ご意見をうかがってみたいと思います。
  先ほど男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の話が出ました。ただし、企業によって、大手企業の労働条件の良い職場ではうまくいっているかもしれないが、中小や零細企業の職場では、あまりうまく機能していない、活用できていないのではないかという意見が出ています。その点を克服していけるのかということを、代表として古賀事務局長に教えて頂きたいと思います。

古賀連合事務局長:この種の課題は、我々内部でも、いつも投げかけられる疑問です。育児・介護休業法については、中小企業の皆さんに対しては、とりあえず少し保留をして、何年か経った後もう一度考えてから、入れるかどうか検討しようと、わかりやすくいえばこういうことになっているわけです。したがって、その種のことは、経過措置としてやらなければいけないことはありますけれども、たとえば、大きな組織が、そういうことをやっていくということは、それが社会全体に広がっていく一つの兆しであるわけです。そして、そのことが社会全体のスタンダードになっていき、中小でもやらざるを得なくなっていくと考えています。日本の社会を形作るうえで、このことはできる限りすすめていかなければならないと思います。
  2つ目です。これは難しいことですが、やはり、育児、介護、子育て、ワーク・ライフ・バランス、これらのことで企業経営をしていくほうが、よほど効率化がはかられる、よほどみんなが楽しく生き生き仕事ができ、その結果業績も伸びている、こういうモデルができていけば、その種のことをさまざまな角度からやってみる企業が増えていくと思います。そういう情勢をどう作り上げていくかということだと思います。
  ただ、私は画一的に中小企業だとか大企業だからという言い方は、あまりしなくてもいいのではないかと考えています。なぜならば、中小企業でもきわめて元気が良い企業はたくさんあります。大企業以上に制度を完備し、従業員や組合員にそういう制度を伝えていくなかで、業績をアップしていく、あるいは生き生きと働くなかで、効率がよくなり、生産性が高まっていくという中小の企業もたくさんあります。そういうことで、相乗的に効果を発揮する必要があるのではないかと思います。

3.労働組合としてのこれからの取り組みについて

禹先生:ありがとうございます。では、議論の後半に入りたいと思います。これからどうすべきかということです。
  まさに日本で力をいれてやってきて、組合の方々も努力してきて、男女の雇用機会の均等も少しずつは進んできている、育児休業も少しずつ活用されている。ただし、学生の皆さんがご存じのように、日本は、先進諸国の中で男女の賃金格差が一番大きいことも事実です。今も女性の方は、一般職に就くことが多く、勤続年数も長くありません。そういう問題があるなかで、労働組合がこれから男女平等参画のためにどのような役割を果たせるか、そういうところに焦点を合わせて議論をしていきたいと思います。古賀事務局長、何をどうすべきでしょうか。

古賀連合事務局長:結論から言いますと、我々ナショナルセンター連合としては、さらなる法制度の改正、運動的な側面では意識の改革を進める必要があると思います。その切り口としては、経営側に対して、労働組合がきちんとチェックをし、そして正していくことです。その一つは賃金です。企業の中で男女間の賃金実態をきちんと調査をして、どこに課題があるのか、あるいは昇進・昇格が、本当に女性に不利益をもたらすようなことになっているのだろうか、一つ一つをチェックしながら、労働組合として労使で交渉していく必要があると思います。
  二つ目は、やはり、セクシュアルハラスメントの問題です。この点も経営側が適切な対応をしているか、あるいは労働組合もきちんと相談窓口になっているか、そういうことのチェックと整備が必要でしょう。また、ポジティブアクションについても、男女平等な職場と働き方を実現するために、その現状の把握と、課題の分析、そして行動計画と言ったことが非常に重要になってくると思います。
  そして何より強調したいのはワーク・ライフ・バランス社会をつくりましょうということです。これが本日の講義の私の結論です。日本の労働時間は1800時間台といわれています。しかし、この1800時間台と言われているのはなぜかというと、短時間勤務のパート、契約で働く人がどんどん増えているからで、フルタイム労働者は2000時間を超えたまま止まっています。これは、長時間労働だけでなくて、男性の働き方を中心としたモデルをどのように変えていくか、我々に突き付けられた大きな課題だと思っています。
  そのような働き方が基本形になっているから、それに合わせるために女性はなおさら仕事をしなければならない。あるいは子育てをするために、仕事をやめなければならない。そして、出産をするのか、仕事をするのか選択を迫られる。そんな時代はもう終わりにしなければいけません。それぞれの働き方があるだろうし、そういう意味では、ワーク・ライフ・バランスの社会を作ることに対して、我々はさまざまなレベルから、あるいはさまざまな課題をどう解決していくかということを、国、経営側そして我々自身の運動としても展開をしていきたいと思っています。そうしないと、まさに男性従業員が育児休業制度を利用しやすいとか、あるいは早く帰って家事や育児や介護ということに時間を費やすとかそういうことは夢物語になってしまうわけです。ですから、トータル的にワーク・ライフ・バランスを実現させることが重要です。
  欧米はこのワーク・ライフ・バランスとか、あるいはフレンドファミリー企業ということで、業績が上がり、従業員のモチベーションも上がっている経験をたくさんしているわけです。なので、日本でできないわけがありません。通常働きながら、地域や家族のバランスのとれた生活をすることによって、個人個人の人生の質もあがっていく、そういうことをめざした取り組みをやっていく必要があります。ですから、今連合としても、このワーク・ライフ・バランスの取り組み指針を全国の組織におろし、議会決議をするとか、その県の制度として宣言を発表するとか、そのような取り組みをやってもらうお願いをしているところです。一つずつ、今申し上げた課題に対して手を打っていきたいと考えております。

禹先生:ありがとうございます。続いて山口副事務局長お願いします。

山口連合副事務局長:私の視点で申し上げたいのは、皆さんご存知かと思いますが、日本の男女平等の進捗具合が非常に低いことです。ジェンダーエンパワーメント指数というのは、世界で50何番目ですし、仕事の場でいえば、管理職シェアも、一番下のところ(係長職)では10%はいくのですが、課長、部長と上位になってくるとほとんどいないという状況です。というようにさまざまな指数、データの部分から見ても日本は本当に男女平等ではありません。
  経済大国であり、先進国でありながら、なぜ不平等を払拭できないのかということをずっと思ってきました。その差を是正するために日々行動しているのですが、「男女共同参画基本計画」ができてから10年です。今度また新たな10年を振り返るということで、国の男女共同参画の推進が議論されるわけです。そこで思ったのは、日本は国民の80%の人が雇用労働者です。その雇用社会である日本の労働組合において、男女平等が進んでいないから、それが、日本全体に影響しているのではないかというようなことを深く反省をいたしました。労働組合の中での、男女平等、ジェンダー平等を進めていかなくてはいけないということを考えております。
  それから、労働組合における女性の参画が非常に少ないです。連合の組合員は673万人いますが、女性の割合は30%程度です。労働者全体でいえば、半数は女性が働いているのですが、組合員となると開きがあります。それから、非正規労働者の多くは女性でありますし、中小企業で働いているのも女性が多いのですが、そういった人たちもメンバーにはなっていません。ということで、やはりその女性の声をもっと労働組合に反映させなくてはいけないというようなことを考えています。
  そのために、労働組合が今のままでいいのかという、何かあると上から召集がかけられて動くのではなくて、もっとボランタリーな組織になって、女性や皆さんのような若者が参画できるような方向に持っていかないと、なかなか男女平等参画の推進に労働組合が影響することはできないのではないかと思っています。今言ったことが、今後の私のミッションです。

禹先生:ありがとうございます。では、ローカルセンターの立場からは、どのような取り組みをしていくべきなのでしょうか。

横山連合埼玉女性委員会副委員長:ローカルセンター、連合埼玉女性委員会の視点からということで、これからの男女平等の課題を話したいと思います。男女平等は、私たち連合埼玉の中で取り組もうと思った時、どうしても順番が下位になってしまいます。やはりここが一番大きな問題なのではないかなと思います。男女平等を本当に真剣に考えるならば、一番に持ってきて、男女一緒に、男女平等の現場を考えていく取り組みをしていかないと、たぶん動かないのではないかと考えています。また、私たち女性役員も、その順位を上げるために執行委員会に働きかける必要があると思います。
  確かに取り組むべき課題は多いです、今働く現場が崩壊状態になっていて、職にもつけない、簡単に解雇されてしまう労働者が多いなか、男女平等を後回しにするという状況も理解できなことはないのですが、それでも連合結成以来20年、語り合ってきた課題です。それが、今やっと土俵に上ってきたわけですから、もっと真剣に考えて欲しいということを私たちは訴え続けなければいけないと思っています。
  そして、男女双方が共通の認識を持つ事です。男と女に分かれていることは仕方ないことです。でも、大きな括りで言いますと「同じ人」です。「同じ人」「同じ労働者」という視点で、物事を見られるように、早く成熟した社会になってもらいたいと思います。まず、そうしたことが実現し、お互いが認め合える社会になるのではないかなと思います。性差を埋めることはできません。女性は子どもを産む機能があります。男性には、体力的に女性を上回っています。それらをお互いが認めあって、そこから「同じ人」「同じ労働者」として互いを思いやる労働運動を続けることが大切だと思います。
  将来を見据えた提案と取り組みということでは、「チェンジする勇気」を考えています。オバマ大統領の言葉で有名になってしまったのですが、異質を受け入れる勇気ということです。例えば、女性であれば男性のことを理解する勇気、男性であれば女性の立場を理解する勇気、そうしたことを、若い人たちに少しでも早く見ていただけたら、これからの日本社会は変わっていくはずです。「同質の協力は和、足し算にしかならないが、異質の協力は積、掛け算になる」という言葉があります。お互いに離れていたのでは何も生まれないけれど、お互いが受け入れあうことによって、それが大きく膨らんでいくと最近感じています。
  男女平等の取り組みを一緒に続けた連合埼玉の副会長は「自分に、初めて女の子が生まれた時、この子が大人になって女だからということで悔しい思いをさせたくないと考え、自分なりに努力をしました。その子も今年就職、状況はわずかしか改善されていません。もっとがんばろう」ということを私たち後輩に教えてくれました。皆さんが、安心して子どもを産める社会に、私たちはしなければいけないと思っています。そして、皆さんもそれを受けて、社会と真剣に向かい合って取り組んでいくことをしていただけたらと思っています。

禹先生:ありがとうございます。この講義は、たくさんの男子学生が聴講していて、非常に興味深く聞いていてくれています。せっかく聞いている男子学生のために、ジェンダー問題の解決ということで、実は女性のためだけではなくて、男性のためにも、何に取り組んでいくべきなのかということを教えてください。

山口連合副事務局長:男女格差の是正というと、女性に対するケアを強化することで男性にとってマイナスになるのではないかと思ったりする人がいます。そうではなくて、過去女性たちが、人権を認められていなかったり、女性というだけで損をしていたりしていたことを、法律をつくったり、ポジティブアクションをしたりして前向きにそれを是正しようということです。なので、ここにいる皆さんも、短絡的に一つだけの場面だけを捉えて、今のままで良いのだとか、これをやると逆に女性だけにプラスになるとかなどの見方をせず、フェアネスという見方をしていただきたいと思います。
  なぜ、こうした考え方をするようになったのかと言いますと、日本人にはフェアネスに対する認識が希薄です。例えば、フランスでは若者に不利な内容を含む法律が国会で審議されるやいなや、フランス中の若者たちが立ち上がりました。それは自分たちが不利になるという理由ではなく、法律の内容がアンフェアだということに対して立ち上がったわけです。
  フェアネスに対する思いが強いのが、労働組合ですけれども、ぜひ、男女平等を進めるためには、フェアかアンフェアかということを常に心の片隅で思っておいて欲しいと思います。

禹先生:講師の方から学生に質問があるようですね。簡単にお願いします。

横山連合埼玉女性委員会副委員長:大学のサークルで、飲み会があると思います。その飲み会で男女一緒のところはありますか?女性の方が支払う料金が安いですか?この間、東京大学でも同じアンケートをとったのですが、その時は男性が3000円、女性は500円でした。これは男性から見ると差別ですよね。同じ学生であるのに、どうして、男性が3000円で女性が500円なのだという不満があると思います。
  これは、かつては、女性の賃金が男性よりも低かったことが、影響しているのかなと私は思うのです。こうした場合、女性が「500円じゃあ悪いから、私たち1000円払うよ」と言ったらうれしくないですか。ちょっとした思いやりが社会を変えていくのではないかなと思います。そういったことが大切なのではないかということも付け加えておきます。

禹先生:ありがとうございました。最後にお三方から皆さんに贈るメッセージをお願いしたいと思います。では古賀事務局長からお願いします。

古賀連合事務局長:皆さん方に、いくつかのメッセージを送りたいと思います。一つ目は、働く喜び、働く苦しみ、働く悲しみを、社会人になったら体験して欲しいということです。働くことを通じて、社会に参画していく人がほとんどだと思います。働くことは、楽しいことだけではなくて、苦しさや悲しさもたくさんあります。しかし、そのことを感じることによって、自分自身も成長していく、そんな社会人になっていただきたいと思います。
  人間は社会的動物だと言われています。組織を作り、社会を作って、お互いに支えあいながら生きていくということから、社会的動物だと言われたのだと思います。しかし、ここ数年の経済政策、社会政策は、まるでむき出しの競争社会に、一人ひとりが放り出されたような実態になっていることも事実です。もう一度私たちは、支えあって生きることが人間なのだということを、自覚し、認識し合いたいと思います。これが二つ目のメッセージです。
  三つ目は、世代交代はチャンスだということです。私たちの年代がどうだということよりも、皆さんが、次の社会を作るのだという気持ちを持っていただきたいと思います。
  四つ目は、きょう申し上げた男女の差は、絶対に是正しなければなりません。しかし、男女に違いはあります。違いを認め合う、あるいは違いは強みになるということを、肝に銘じておいていただきたいと思います。
  五つ目は、労働組合、労働運動にぜひ参加していただきたいと思います。日本は世界に冠たる雇用社会です。その政策の1つの重要なセクターとして、労働組合は働く者の代表としてあります。その運動にぜひ参画していただきたいと思います。
  最後にもう一点、私は冒頭に1985年の雇用機会均等法制定の話をしました。それまで露骨な差別が表面化していたものが、それによって、徐々に解消していきました。その法律制定の原動力になったのは、「結婚退職制度はおかしい、なぜ、女性だけに若年定年制があるのだろうか」という疑問を持ち、その疑問を率直に表現し、そして主張する女性たちが現れたからです。それがこの法制定の原動力になったわけです。
  この雇用均等法制定の話だけではありません。私たちは、やはりおかしいことはおかしいと声に出し、行動にあらわし、そして正しい道に進んでいくそんな社会を作っていかなければなりません。皆さん方も学生から社会人へとなっていくわけですから、そんな社会人になっていただきたいということを申し上げ、私からのメッセージとさせていただきます。きょうはありがとうございました。

禹先生:どうもありがとうございます。では、次に山口副事務局長から簡単にお願いします。

山口連合副事務局長:皆さんには、核廃絶の1千万人署名にご協力をいただきました。本当にありがとうございました。平和も男女平等もそれに関わる人が多くなればなるほどその実現に近づきます。これからも積極的に関わってください。

禹先生:では、横山副委員長からお願いします。

横山連合埼玉女性委員会副委員長:最後に皆さんにどうしてもお伝えしたい言葉があります。国立女性教育会館という施設があり、そこの理事長が、「男女共同参画社会に今一番必要なのは、自他の尊重だ」とおっしゃられました。まさしくお互いを思いやる心が、今、とても大切な時代になっているのではないかということをお伝えしたいと思います。ありがとうございました。

禹先生:皆さん、お三方の話を聞かれて、大変勉強になったと思います。今日はこれを持って授業を終わりにしたいと思います。遠方からお越しいただいたお三方に、盛大な拍手をお願いします。どうもありがとうございました。

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