埼玉大学「連合寄付講座」

2008年度後期「若者・働き方・労働組合」講義要録

第5回(10/29)

若年労働者の処遇とキャリア~自動車産業における労使の協議と交渉~

ゲストスピーカー:岡部 秀敏(日産ディーゼル労働組合執行委員長)

 皆さん、こんにちは。日産ディーゼル労働組合執行委員長の岡部です。どうぞよろしくお願いします。私からは、企業別労働組合の現場で、実際に行われていることについてお話ししたいと思っています。
  初めに、自己紹介と、日産ディーゼル工業と組合について紹介させていただき、その後で、労使の協議と交渉についてお話を進めていきたいと思います。

1.組合専従役員までの活動
(1)自己紹介
  私は、1965(昭和40年)生まれの43歳です。私が大学に行っていたころは、1980年代の後半で、ちょうど世の中はバブルの時期でした。出身地は埼玉県の川越市で、現在も川越市に住んでいます。家族は妻と子ども2人の4人家族です。どちらかというと子煩悩だと思うのですが、仕事が忙しくて、ゆっくり子どもと遊べるのは週末くらいです。趣味は、ゴルフと車の運転をすることが非常に好きです。一晩中運転していても苦にならないほどです。

(2)新入社員時代
  1989年4月の大学卒業と同時に、日産ディーゼル工業株式会社に就職をしました。車が非常に好きだったことと、転勤が少ない職場ということから、地元の企業を選びました。
  入社しますと、新入社員教育というのが1週間程度あります。会社の役員やさまざまな職場の部長、あるいは労働組合の役員から会社の中身について講義を受けます。その後、メーカーですので、工場を知らないと仕事にならないということもあり、現場実習に入りました。6ヵ月間ありましたが、最初の3ヵ月は、小型エンジンの組み立てラインに入りました。その職場では夜勤もあり、昼勤夜勤を繰り返すローテーションが組まれていました。先輩社員に混じっての研修でしたが、ラインのスピードが速く追いつかずにいるところを、周りの人たちが手伝ってくれました。そんなことからも、職場の暖かさというものを感じつつ、実習期間を過ごしました。後半の3ヵ月は、昼勤務だけの車両の組み立てラインに変わりました。
  このような研修は、“工場を知る”ということで、期間は少々短縮されましたが、今年の新入社員へも行なわれています。当然に女性も作業服を着て、現場に入って研修を受けています。このような研修を通して、現場の人達との人間関係が作れます。そういったつながりは、正規配属された後も大変役立ちます。
  研修後、工場部門の第二製造部第二生産課という部署に配属されました。ここでは、トラックの製造に使う部品を部品メーカーに発注をしたり、納期の確認をしたりしていました。部品というのは納期どおりになかなか入ってきません。なぜかといえば、我々メーカー側の内示(納入指示予測)に変動があって、部品メーカーも短い調達期間では追随出来なかったりすることがあるからです。車一台造るのに、何千という部品がありますから、毎日何らかの納期遅れの部品があります。そのため、部品メーカーに電話をかけて、納入について確認をし、納期について、製造現場の責任者と調整を取らなければなりません。つまり、部品メーカーと製造現場のつなぎ役です。このような仕事を5年間担当しました。1994年10月に国内営業部門の販売会社担当部車両課に異動しました。そこでは全国の販売会社の窓口を相手に車両の発注を受けて、それをまとめて工場に流すという仕事を担当しました。車の製造には生産枠があります。そのため、車両課でオーダーをまとめ、それをいつ生産できるか等の調整をしたうえで工場に発注するという仕事でした。工場のときと同様に、国内営業に移っても、中間のつなぎ役の仕事が多く、人と人とのパイプ役といった仕事を長く担当していました。

(3)出向時代
  国内営業の仕事を5年間やり、その後3年間、長崎県の販売会社に出向しました。そこでは、管理部門の仕事を任されました。営業部員が注文をとってきたら、受注をまとめて、メーカーの車両課に発注をする仕事でした。この時は、出向先職制として、初めての役職である課長として赴任し、1年後、次長に昇進しました。小さい販売会社でしたので、管理部門全体を担当し、業務課長、総務課長、人事課長、管理課長と6つの役職を兼務し、そのおかげで、幅広く販売会社の仕事を経験できました。

(4)組合活動~非専従から専従へ
  2002年に出向先から本社に復帰し、また一般社員に戻って、国内営業部門の完成車ビジネス推進室というところに配属になりました。ここでは、新たなビジネスモデルを推進するというような企画の仕事をやりました。
  この年の9月に、はじめて労働組合から執行委員の仕事を仰せつかりました。その時は非専従の役員でした。非専従というのは、会社で通常に日常業務をしていて、プラスアルファで組合の仕事をしている役員です。労働組合は、いかにその職場の生の姿、生の声を掴めるか、あるいは情報として持てるかということが勝負です。当然のことですが、経営者と話をする時の我々の武器は、職場で組合員がどんな思いで働いているのか、どんな不満を持っているのかを知っていることです。そして、それらを掴んで、会社に伝えていくのが我々の役目です。非専従の役員は、仕事をしながら組合の役員ですから、組合員がどんな思いで働いているのかを、肌で感じることができるわけです。
  その後、完成車ビジネス推進室のプロジェクトが終わり、新たにリサイクル推進室が立ち上がり、そこで新たなプロジェクトを担当することになりました。当時、自動車リサイクル法という法律が制定され、各自動車メーカーにその法律対応の部署ができました。このとき、自動車メーカーの業界団体である日本自動車工業会の会議にも参加をしました。その会議では、トヨタ、ホンダ、マツダなど、日産を含めた日本の自動車メーカーが一同に会して、当時、自動車リサイクル法を推進していた経済産業省の担当者も入って、法律にどう対応していくかということが話し合われていました。他の自動車メーカーの人たちや、国家公務員のキャリアの人と交流を持てたことは、とてもよい経験となりました。
  この仕事が終わった後の2005年9月に、組合の専従役員になりました。組合の専従役員になると、組合の仕事だけをやることになります。会社の方は休職扱いになり、組合費の中から給料をもらう立場になります。給料体系は従業員と同じなので、お金の出所が会社から組合費に変わったということです。以降、今年で4年目に入りました。

2.日産ディーゼル工業株式会社について
(1)会社概要
  日産ディーゼル工業は、1943年にディーゼル・エンジンだけを作る会社として、埼玉県川口市に創業をし、1950年から本格的にトラックの生産を始めました。現在の本社は埼玉県上尾市、主な事業は、大・中・小型のトラック、バス、ディーゼルエンジン単体、および自動車部品の製造販売です。今は、環境への取り組みということで、天然ガスを使ったバスや、ハイブリット車なども造っています。

(2)企業規模
  売上高は連結で4,663億円です。売上比率の60%は、国内向けのトラック、バスの販売、20%が海外向けです。また、日産自動車の小型トラックは、上尾工場で生産をしています。そのため、売上の15%は日産自動車となっています。
  従業員数は、日産ディーゼル単独で約3,000名です。販売会社や系列の部品メーカーがありますので、連結ベースではほぼ1万名規模の会社です。
  資本金は386億3,882万円です。親会社はスウェーデンのボルボであり、外資系の会社です。もともとは、日産自動車の資本が約40%入っていましたが、カルロス・ゴーンが日産の社長に就任したときに、日産とルノーのコアビジネスは乗用車だと位置づけ、系列会社を整理統合しました。日産自動車の傘下にあった日産ディーゼル、ルノーの傘下にあったルノートラックなどの商用車部門をボルボグループに整理統合しました。

(3)ボルボグループ
  ボルボというと乗用車メーカーだと思われがちですが、現在は商用車(トラック・バス等)の専業メーカーです。約10年前は乗用車と商用車のメーカーでしたが、乗用車部門はアメリカのフォードに売却売りしました。しかしながら、乗用車のボルボの工場もスウェーデンにあり、そこで造っているので、資本関係を提携したということです。
  ボルボグループは、世界第2位の商用車メーカーです。世界第1位の商用車メーカーは、ダイムラー・ベンツです。生産台数をみると、ダイムラー・ベンツは年間24万台の大型トラックを造っていて、それに続くのが、ボルボグループであり、ボルボと日産ディーゼルを合わせて19万2,000台となります。ちなみに、日本の日野自動車は2万6,000台、いすゞ自動車は1万6,000台で、世界の強豪に比べると、日本のトラックメーカーの生産規模は非常に小さいです。日本の乗用車メーカーは、トヨタ・日産をはじめ、世界に通用するメーカーになっていますが、トラックメーカーは日本国内の商品として止まってしまったので、生産量にもこうした差が出てきています。我々は、今ボルボグループになりましたので、グループとして世界に出て行こうという戦略をとっているところです。
  ボルボグループには、アメリカのマック、フランスのルノー、スウェーデンのボルボ、日本の日産ディーゼルと4つのブランドがあります。さらに、バス、建設機械、モーターボートのエンジン、航空機のエンジン、そして金融サービスといった商売展開をしています。しかしながら、その商売の7割はトラック部門です。

(4)国内事業所・販売拠点
  日産ディーゼルは、国内に4つの事業所があります。上尾にある本社は、40.3万㎡で東京ドーム9個分の広さがあり、ここでは主に車両の組み立てを行っています。埼玉県鴻巣市には鋳物工場があり、エンジン部分を造っています。埼玉県羽生市にある工場ではトランスミッションの製造をしています。栃木県茂木町にはテストコースを持っています。
  国内の販売拠点は、全国を16ブロックに分け、北海道から九州沖縄まで販売会社を持っています。販売会社は直系と独立系に分かれていて、直系は上尾の日産ディーゼルの子会社、独立系は地元の資本が入った会社です。こういった構成でトラックの販売をしています。海外拠点としては、現在、海外の勤務者は8カ国で29名います。販売台数の比率は、やはりアジアが輸出の中で一番大きな割合を占めているという状況です。

(5)ビジョン・ミッション
  我々が販売するトラックには、UDというロゴマークをつけています。このマークは、日産ディーゼルのお客様への“究極の信頼”の印です。
  自動車メーカーなので、東京モーターショーにも出展をしています。昨年も日産ディーゼルのトラック・バスやエンジンを展示しました。来年も、東京モーターショーが開催されますので、また出展することになると思います。

3.日産ディーゼル労働組合について
(1)上部団体とのつながり
  日産ディーゼル労働組合は、上尾市の日産ディーゼル本社の道を一本挟んだ反対側に、労働組合専用の建物を持っています。これは、労使の仲が悪いということではなく、労使というのはある意味一線を引かなければならないという思いからです。殆どの労働組合は、会社の建屋の中に事務所を設けていますが、我々の労働組合はこのような形になっています。
  我々の上部組織には、自動車総連という70万名の自動車関連の産業別組織があります。自動車総連が、連合に直接加盟をしていて、その傘下に日産労連という組織があります。日産労連は、日産自動車グループを中心とした15万名の組合組織です。この中には、日産自動車労働組合、日産車体労働組合、日産販労といった組織が入っています。その日産労連の傘下に、日産ディーゼル労働組合があるということです。

(2)組織人員及び役員
  労働組合員数は3,600名で、うち女性は165名、全体の4.6%と、非常に女性の比率は少ないです。労働組合の役員は783名と、全体の21.9%が労働組合の役員で、そのうち専従役員は9名です。その他は非専従で、職場にいる役員です。
  会社に入って間もない20~30代の若者には、組合が発行している機関紙の情報収集を行う、「ユニオン・プレス・スタッフ」や女性を中心とした女性ミーティング、職場の活性化を目的として、スキーや、全社的なお祭りなどのイベント企画をする「フリー・ウェーブ・スタッフ」といった役職を経験してもらっています。
  これらの役員を束ねるのが職場長です。少し年齢層が上がり、人数は64名います。そして、その職場長の仕事をフォローする副職場長、職場委員がいます。この3つの役職の人たちが中心となって、職場の課題について情報収集を行っています。
  更に、全職場を21の業務区域に区分けして執行委員を置いています。今後の課題として、もっと女性の役員を増やして、職場の女性の意見も組合の活動に活かしていきたいという思いを持っています。

(3)執行部体制
  執行部の体制は、執行委員長1名を中心に副執行委員長、書記長、常任執行委員の9名となっています。うち2名は、上部団体の日産労連と連合埼玉に派遣していますので、日産ディーゼルの職場を守っているのは、実際には専従役員7名と、非専従執行委員21名の28名です。この体制で方針等を策定し、決まった方針ごとに職場長→副職場長→職場委員と下ろしていくというステップになっています。

(4)運営会議
  運営会議としては、常任会といって、専従役員だけで集まるものと、非専従の執行委員と常任執行委員が集まる常執会議があり、これらは週に1回2時間程度集まり、いろいろな方策を決めています。
  常任会は専従だけなので、就業時間内に行います。非専従の執行委員も出席する常執会議については、会社との協定で週に1回2時間は、就業時間内で活動してもいいということになっていますので、会議が始まる3時半までは職場で仕事をして、3時半になったら労働組合の会議に出るというようになっています。但し、就業時間中に会議に出た労務費は、組合で負担することになっています。
  職場長を集める会議は、定時後に行っています。

4.労使間の協議及び交渉について
①団体交渉(春闘)
  労働組合側から会社に対して労働条件その他について要求し、交渉するのが団体交渉です。これは春闘が有名です。通常2~3月にかけて行われます。春闘では、賃金や、ボーナスについて交渉します。いわゆる「賃上げ」ということです。
  我々の会社では、社長を中心とした役員と組合の専従役員とで、通常は3回にわたって交渉をしていきます。3回の交渉の中で、譲れるところは譲りながら、お互い納得出来る結果を探ります。我々の要求に対して、会社が常に満額で応じてくれるということではありませんので、交渉を毎年やっていくということです。

②中央労使協議会
  会社の事業計画については、1年のうちで上期・下期に各1回ずつ、中央労使協議会で協議します。たとえば、今度、新車を出そうと思っていると会社から報告があると、それはどんなユーザーをターゲットに考えているのか、造るにあたっての生産性はどうなのか、ラインに流すときに負荷はかからないか、といったようなことを話し合います。

③中央安全衛生委員会
  職場の安全については、中央安全衛生委員会で協議をします。製造現場では、怪我、場合によっては死亡災害につながることもあります。そのため、年に2回、労使間できちんと協議をして安全対策を作っていきます。

④月度生産協議
  翌月の生産台数・休日出勤・残業時間について、毎月末に、会社と必ず取り決めを行います。この場で、月々の職場の課題についても話し合います。例えば、部品がサプライヤーから入ってこないため、生産が遅れ、職場が混乱しているといったことなどです。どんな事情があろうとも、お客さんは待ってくれません。生産が遅れていたら間に合うように、休日出勤をするか、残業をかけるかということで、必ずお客さんとの約束は守らなければならないということです。
  ただ、これは会社側の要望であり、従業員側からすれば、休みには家族との約束があるなどと、職場で不満の声が上がります。そのために、事前にこういった協議を会社と持つわけです。やはり会社が儲からないと、我々の生活も豊かにならないわけですから、最終的には休日の土曜も出ざるをえなくなります。組合は協議において休日出勤になる理由を会社側に確認し、そのような事情を職場の人たちにきちんと伝えるようにします。

⑤特別協議
  賃金における査定の評価制度等で、雇用にかかわるような課題が出たときに特別枠として会社側と協議をします。これを特別協議といいます。協議の招請は会社からの申し出であったり、組合からの申し出であったりします。

⑥各種分科会、勤務検討委員会、その他
  職場の部門ごとの課題を論議する各種分科会もあります。また、勤務検討委員会を設けており、このうちの第一部会はブルーカラーの働き方を論議します。第二部会はホワイトカラーについて論議をします。
  さらに、食堂改善委員会や、カレンダー交渉といって、夏休みや正月休みの日数などを協議する場もあります。また、職場単位でも、その職場の職場長や課長、部長などと、協議や懇談会をもったりします。会社全体における協議のほかに、職場単位での細かい点についても協議をしています。

5.協議の意義
  組合員(従業員)の雇用に関る全ての問題は、労使間の協議に基づいて決定されます。会社の方針・施策の意義については、労使で共通認識を持つことが重要です。会社は指揮命令系統でやれと言いますが、その命令理由がわかっていてやるのと、単に言われたからやるというのでは、全く働く姿勢が違ってくるのです。
  全ての協議において、重要視されるのはいかに組合員(従業員)のモチベーション(やる気)を引き出すかということです。会社というのは、人でもっているものです。会社という何かがあるのではなくて、組合員一人ひとりの積み重なりが、会社となっていくわけです。すなわち、一人ひとりの「やる気」が結果につながっていきます。そういった役割を、労働組合が担っているということであり、これが協議を行う意義です。

6.各種協議の2007年の内容
①中央安全衛生委員会:事故・災害の防止について、工場内分煙化の取り組み、メンタルヘルス不全についての取り組みについて。
②厚生分科会:育児・介護、病気療養後の職場復帰を目的とした短時間勤務の設定、裁判員制度に対する労務取扱いについて。
③中央労使協議会:今後のビジネスプランや、ボルボグループでの新たな組織体制について。
④月度職場労使協議:有給休暇がきちんと取れているか論議し、出来ていない職場には、会社が率先して組合員を休ませる職場環境を作るように要請。

7.協議事項の職場展開ステップ
  会社と協議をするときには、事前に組合側で何を論議したいのか、論議項目を作成して、協議する前に会社側に渡し、回答を作らせます。それをベースに会社と協議を行います。協議後は、職場に必ず報告をします。
  A3用紙に細かく労使の応答内容を載せ、職場長から職場の人たちに報告します。職場に報告をしたら、職場のみんながどう思ったのか、反響を集めます。反響用紙というものに、それぞれがどう思っているかを書いてもらい、それを職場の回答とし、会社にフィードバックをしています。反響用紙は、当然出してくれる人と出してくれない人がいます。また、厳しい意見や、論議内容に賛同するといった内容の意見があります。
  職場によっても違いますが、年齢別にみると、若年層の意見はあまりあがってきません。中堅層や高年層の反響はかなりあがってきます。組合の活動に対する関心は、若年層の方が低いのかもしれません。新入社員当時は、周りがかわいがってくれるのですが、だんだん年齢があがってキャリアを積んでいくと、当然ですが選別されてきます。優秀な人、恵まれている人、偉くなりたい人などが出てきます。そんな中で、組合の協議に対して引っかかるところがいろいろと出てくるわけで、そういう心の表れだと思っています。そうした意味からも、非常にこの反響は大切にしています。
  団体交渉のときには、この反響用紙は100枚、200枚とあがってくるので、それを交渉の場に実際に持っていき、社長に見せます。これらの声を実際に交渉の場でぶつけ、協議をすすめていきます。
  我々労働組合の武器は、やはり職場の声です。また、会社が怖いのも職場の声です。会社は、従業員がどのように思っているか、上にいくほど気にします。しかし、偉くなればなるほど、いい情報しか部下からは上がってきません。当然課長も部長に対してはいい報告をしたいわけですし、部長も役員に対していい報告がしたいわけです。しかし、労働組合は水平な組織ですから、誰が偉いということはないので、平等に意見があがります。つまり、そうした生の声を経営に伝えることが労働組合の役割だし、会社が我々に期待をしているのも、現場の生の声を集められるところだと思います。そういった意味でも、この反響用紙は非常に重要だということです。

8.チームワークに向けた取り組み
  会社は、組織力で仕事をしていかなければなりません。どんなに優秀な人が一人いても、周りが協力してくれないと仕事は進みません。車を造っても、売ってくれる人がいなければ儲からないわけです。逆に売る気満々の営業マンがいても、魅力のある商品を造らないと売れません。チームワークが非常に大切だということです。
  そういうチームワークを作るには、業務におけるコミュニケーションだけではなく、職場を離れた、仕事とはまったく関係のないレクリェーションが効果的です。労働組合では、普段は顔を合わせることのない職場の人たちと、ふれ合う機会を組合員に提供しています。地元の人も参加していただいているイベントもあります。

 以上、日産ディーゼル労働組合と会社が協議をどのような形で行なっているか、また会社に何を求めているのか、組合はどういうメッセージを出さなければならないのかということを説明させていただきました。ご清聴ありがとうございました。

以上

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