JILPT「労使関係の現状と展望に関する研究」(59)


ものづくり現場発の産業論・戦略論


藤井隆宏
東京大学大学院経済学研究科教授
A4判/45頁 2005年9月 (社)教育文化協会発行 無料配布


 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)は、前身の日本労働研究機構(JIL)が1994年1月に設置した「労働組合の現状と展望に関する研究会」(略称はビジョン研)を継承・発展させ、「労使関係の現状と展望に関する研究会」(略称はビジョン研で同一)をスタートしました。
(社)教育文化協会は、このたび、独立行政法人労働政策研究・研修機構のご厚意により、引き続き、ビジョン研の研究成果を当協会の会員各位に頒布させていただくことになりました。ご尽力を賜りました皆様方には、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。
本書には、ビジョン研の2005年3月16日報告(2005年8月刊行)を収録しました。なお、番号は、前回からの通し番号です。どうぞ、ご活用ください。


概要

 日本の企業に今、一番欠けているのは「戦略」です。日本のものづくりは、開発生産性などお客さんから見えない部分で熾烈な現場間競争を繰り返し、生産性を向上させてきました。しかし、現場は優秀なのに、能力に見合った利益を上げていない企業が見受けられます。これは本社の戦略能力が不足しているために起きる「強い工場・弱い本社」症候群です。
これからの日本の製造業がめざすのは、強い工場と強い本社の両立です。そのためには戦略面で、「現場発」の企業戦略の再構築が、人材面では、設計図の読める事務屋と金勘定ができる技術屋の育成が求められます。また2007年から定年を迎える「団塊のものづくり世代」は技術継承のため、インストラクターとして再生させることが重要となってきます。



目 次

講師略歴

概要

報告
  1. はじめに
  2. 「現場発の戦略論」の欠如が過剰反応を生んだ
  3. 「ものづくり現場発の戦略論」のための道具立て
  4. もの造り能力と戦略構想能力のアンバランス
  5. 競争力は多層的に把握する
  6. 日本と海外のものづくり
  7. 製品とは設計情報を素材に転写したもの
  8. 「擦り合わせ」と「組み合わせ」のアーキテクチャー
  9. 製品アーキテクチャーの基本タイプ
  10. アーキテクチャーの「地政学」的な分布
  11. 「アーキテクチャー」間競争
  12. アーキテクチャーのポジショニング戦略
  13. これからの人材育成
研究会レジュメ

「労使関係の現状と展望に関する研究会(ビジョン研)」について


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