田中 寛乃(連合東京)
労働組合は会社と協力し、組合員のメンタルケアについての啓発などを行い、組合員のメンタルヘルスを守る活動を行っている。メンタルケアの責任の所在は、労働組合の非専従役員であれば会社にあり、メンタル不調になれば会社に設置する専門機関等が対応を行う。それでは、労働組合の専従役職員はどうであろうか。メンタルケアの責任の所在は不明確であり、対応責任者がメンタル不調当事者というケースもある。
地方連合会は、組合専従役職員に対し、具体的なメンタルヘルス教育やカウンセリング等を展開し、心の健康を守っていく責任があるのではないかと考える。
労働組合の専従役員は会社から出向または休職している役員が多く、限られた人員数と狭い人間関係の中で組合活動を遂行しており、日常業務のほか、メンタルヘルス対応者の稼働に偏りがあり、定常的に時間外労働が多い環境のため、メンタル不調を起こしやすい条件が揃っているのではないかとも考えられる。
本稿では、筆者の所属する連合東京の構成・産別組織に対して実施したメンタルヘルス問題についてのインタビュー調査に基づき、労働組合の専従役職員の置かれている状況からメンタルヘルスの問題についての分析を行った。その分析をふまえ、地方連合会として労働組合の専従役職員のメンタルヘルスを守るためにはどのような取組を行っていくべきかを提言する。
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