第23回マスターコース修了論文

労連運動方針の課題分析と改善検討
‐加盟組合の議案書から見た加盟組合の実態と労連の運動方針の分析を通して‐

杉田 一輝(自動車総連・三菱自動車ふそう労連)

<概要>

 筆者が在籍している三菱自動車ふそう労連(以下、労連と記載)には、現在84組合が加盟しているが、近年は減少傾向にある。筆者が赴任してからの直近2年間を見ても3組合が脱退しており、そのうち2組合は組合役員の後継者不在による組合解散が脱退理由であった。
 労連としての活動は、定期大会での一年間の運動方針を確認し、加盟組合と共に様々な取り組みを進めている。しかしながら、すべての加盟組合が労連の運動方針を推進しているかと言われれば「確信が持てない」と言うのが実情である。その理由は、様々な調査活動を通じて加盟組合の労働諸条件などについては把握しているものの、それぞれの加盟組合がどの様な運動方針の基に活動を進め、自らの労働条件をどの様に捉え、維持・改善しようとしているのかという「課題認識」について、労連として理解が及んでいないためである。
 本稿では、加盟組合の議案書に着目し、議案書を分析することで加盟組合の課題認識を読み解く。議案書には、加盟組合が進めようとしている取り組みが記載されている。つまり、加盟組合の課題認識が表れていると言える。加盟組合の議案書を分析することで、労連の取り組みの課題を明らかにし、加盟組合の取り組みのさらなる活性化のために労連としてどのような改善ができるのかを探っていく。

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