第23回マスターコース修了論文

かんぽ生命の再編からみる組合員間コミュニケーション変化の可能性
―組合員の所属別意見集約とアンケート調査に基づいて―

伊藤 美幸(日本郵政グループ労働組合)

<概要>

 2022年4月、組織再編に伴い、日本郵便で訪問営業を行っていた社員等がかんぽ生命へ兼務出向となり、かんぽサービス部が設置された。本論文は、そのかんぽサービス部の組合員とかんぽサービス部以外の組合員との間に生じているコミュニケーションの変化を、組合員の所属別意見集約とアンケート調査に基づいて分析し、今後のための示唆を得ようとするものである。
 調査から、以前はあまり声を挙げなかった、かんぽサービス部以外の組合員が、組合活動に参加していることや、組合役員への相談状況が低く、この理由として、「相談方法が分からない(誰に相談していいか分からない)」を選んだ組合員が多いことも判明した。この結果から、組合員に対して組合活動や役割等を伝えきれていない可能性があるため、組合役員の役割として、組合活動を浸透させていく必要があると考える。
 一方、再編となり、これまで関わる機会が少なかった組合員同士が、以前より活発にコミュニケーションをとるようになり、これが再編をポジティブにとらえ、他方では組合活動への参加率を高めることに繋がっていることが分かった。このことから、組合員同士が交流できる「合同職場集会」を設ける等、コミュニケーションを図る機会を増やすことが重要と提言する。

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