山根 惇(日本労働組合総連合会 奈良県連合会)
「労働組合って何をやっているの?」「自治労って?」労働組合に加入した際の私自身の感想である。働くうちに、労働組合に関わるうちに、理解できるだろうと思っていたが、未だに、労働組合を知らない人に労働組合を理解してもらう自信がない。
現在、労働組合では、組合員数、組織率の低下が止まらない状況にある。一体そのニュースにどれほどの労働者が興味を持っているだろうか。もしかすると組合員でも関心がない人がいるかもしれない。
組合員を対象とした労働組合に対する意識調査でも、労働組合は社会にとって必要ではあるが自分が労働組合を担いたくない、関わりたくないという労働組合に対して「無関心」、「他人ごと」として考えていることがわかり、労働組合が組合員とどう向き合うべきか問われている。さらに、労働相談件数の増加や「ブラック企業」「闇バイト」という言葉があるように、将来を担う若者の労働環境も厳しさを増しており、労働教育やワークルールの理解、そして、より一層の労働組合の存在感の高まりが求められているのではないだろうか。
本稿では、連合が行う「連合寄付講座」が将来を担う若者に、労働者の権利や義務、労働に関わる問題を知ってもらうことで労働組合の必要性を認識してもらい、労働組合員以外の人にも労働組合の存在意義を見出すことはできないか考察していく。そして、労働運動を将来「自分ごと」として考えてもらえるような連合寄付講座をめざし提案をする。
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