第22回マスターコース修了論文

常用型派遣企業の労働組合の在り方について
-常用型派遣企業の労働組合がおこなう教育訓練-

太刀川 晋史(電機連合 アルプス技研労働組合)

<概要>

 厚生労働省「労働者派遣事業報告書(令和3年6月1日現在の状況(速報))」によれば、派遣労働者数は約169万人であり、そのうち約67万人が無期雇用であり約101万人が有期雇用となっている。
 筆者の所属する株式会社アルプス技研(以下、アルプス技研とよぶ)は技術者派遣を主業とする人材ビジネス企業である。組合員の多くは機械、電気、ソフト、化学分野の技術者として、主に大手製造業の企業に派遣され日本のモノづくりを支えている。当社の組合員は派遣技術者でありながらアルプス技研に、いわゆる正社員雇用される常用型派遣労働者である。筆者も多くの派遣先で派遣技術者としてモノづくりの現場に携わってきた。派遣技術者としての業務は、やりがいがあり誇りを持って派遣先で業務をおこなってきた。
 本論文では、筆者が所属するアルプス技研を事例に常用型の派遣労働者の働き方の課題を挙げる。その中で「労働者教育を積極的におこなうことが常用型派遣企業の労働組合の在り方である」とし、労働組合が労働者教育に取り組む意義について考察する。

総目次に戻る