第22回マスターコース修了論文

貧困の連鎖に立ち向かう
-地域協議会だからこそできる社会的支援とは-

永島 理絵(連合東京 東部ブロック地域協議会)

<概要>

 子どもの貧困が深刻な社会問題とされるなか、2020年初頭に世界を襲った新型コロナウイルス感染症は、日本の社会活動にも大きな制限をかけることとなり、人々の日常を一変させた。なかでも、困窮に苦しむ母子世帯の姿が広く社会に報じられたことは記憶に新しい。ひとりで働きながら子育てを担うシングルマザーは、以前よりその多くが「働いているのに生活が苦しい」状況におかれている。親の貧困は子どもへの「連鎖」に直結していることから、社会全体で支援していくことが必要であると考える。
 連合には地域で活動する地方連合会・地域協議会が全国に組織されており、日々地域に顔の見える運動を推進している。負の連鎖に立ち向かい、誰ひとり取り残されることのない社会の実現に向けては、より地域に目を向け、耳を傾け活動する地域協議会ならばもう一歩ふみ込んだ支援活動を行うことができるのではないか。
 支援を必要とする人は私たちの目の前にいるのである。
 本稿では、母子世帯の現状から子どもへの貧困の連鎖につながる要因を考察し、実際に支援を行う団体の活動から社会の支援とは何かを学び、連合・連合東京の活動を軸に地域協議会だからこそできる支援策を提案する。

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