第22回マスターコース修了論文

次の担い手を獲得するために何をすべきか
-労働組合の課題と活動の魅力を考える-

渋澤 厚子(基幹労連本部)

<概要>

 組合役員の担い手がいない、と言われている。もう20年以上前から言われていることだという。なぜ担い手がいないのだろうか。
 組合員に、「組合役員は忙しい」、「組合役員は大変だ」と思われている。これまで労働組合は、組合員のためにワーク・ライフ・バランスの実現に向けて取り組みを進め、改善を図ってきた。しかし、組合役員自身の働き方については、見直しを検討すべきだと認識されながら、変わらなかった実態がある。また、組合員は、労働組合が何をしているのかわからないという。組合員のために、生活時間を犠牲にして取り組んでいる活動は、理解されていないのである。役員の担い手不足ばかりか、深刻な組合離れにつながりかねない課題である。さらに、担い手不足には、組合役員の忙しさだけではなく、組合役員というキャリアに魅力がないとみられていることも影響している。組合活動の魅力とは何か。魅力あるキャリアであるためには何が必要なのだろうか。
 既存の調査により、組合役員の働き方の実態や活動に対する問題意識、組合員の意識など、現状の課題を探る。さらに、現役の組合役員8名へのインタビュー調査を実施することで、活動の魅力や課題を深堀りし、次の担い手獲得に向けた具体的な対応へのヒントを探る。
 変わることが難しい労働組合ではあるが、次の担い手獲得に向け、何をするべきかを模索する。

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