石川 良次(自動車総連 豊田自動織機労働組合)
私の所属する労働組合では、組合活動に対する組合員の関心低下が問題となっていた。そのような状況で突入したコロナ禍は、我々の活動にも大きな変化をもたらした。中にはオンラインでの会議に効率的なツールの普及もあった。しかし、様々な活動に急ブレーキがかかり、組合活動の意義を改めて見直す機会にもなった。
私は執行委員として労働運動に携わって13年。労働組合は組合員が集まるからこそ力になると先輩たちから教わり、そう思っていた。しかし、集まることを避けなければならなかったコロナ禍の役員・委員には、集まらなくても活動ができたことがスタンダードであるため、「集まる」という行動も見直す対象になるのだろう。実際にコロナ禍が落ち着き始め、集まって話をしようとしたときに「なんで集まるのですか」という意見も出てきた。このような役員・委員の意識変化は、注目すべき点である。
本論文では、労働組合の活性化に欠かせない役員・委員の関与意識向上をテーマとして掲げ、アンケート結果とインタビュー調査をもとに考察し、既存の労働組合の組織力低下の歯止めとなる提言を目標としたい。
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