鈴口ますみ(電機連合 パナソニックオートモーティブシステムズ労働組合)
労働組合役員のなり手不足が長期にわたり深刻化している。弊組の組合員を対象とする2021年度のアンケート調査においては、「必要なら役員になっても活動を支える」と答えた人は10%に満たない。
組合員にとって労働組合活動は「誰かがやってくれるもの」と感じられており、「お客様化」「フリーライダー化」がもはや当たり前、むしろその傾向が顕著になっていることがうかがえる。
しかし、労働組合活動への積極的な参加は個人の自由な意思決定の結果だろうか。むしろ、「労働組合という組織に適応する」という「組織社会化」プロセスを経ることで組織に順応し、活動の担い手になるのではないか。また、そのような組織社会化プロセスのなかで、労働組合特有の組織文化が継承されるのではないか。
本研究では、労働組合活動の担い手育成について、「労働組合という組織に適応する」組織社会化プロセスについて、ベテラン・若手組合役員のインタビューから明らかにする。そのうえで、企業とは異なる組織として、労働組合の組織文化の本質とその継承についても探る。
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