第22回マスターコース修了論文

労働組合役員のなり手不足解消に向けて
~非専従執行委員の組合活動時間から見えること~

鈴木 敦夫(連合 フェアワーク推進センター)

<概要>

 労働組合の人材不足、なり手不足は深刻である。専従・非専従問わず役員数は、組合員の減少とともに減少し、組合役員一人当たりの負担が増している。
 また、「仕事管理」が広く浸透し、働き方のホワイトカラー化が進んだ現代の日本において、本来であれば経営者が関心を持つべき売り上げや業務効率化などの事項について、従業員一人ひとりが神経を使うことが求められている。そのような中では、労働組合の役員が職場を離席すれば、一方では当人のスキルアップ機会の損失や業務目標の未達など問題が生じ、他方職場の同僚においては、労働組合活動に人員を取られることでその業務が割り振られるなどにより、普段多忙なうえに業務が増えることとなる。自身のことのみならず、職場の同僚にも迷惑をかけることが、結果として労働組合への反感を買い、役員のなり手不足に繋がっているのではないか。
 本論文では、ヒアリング調査に基づき、特に職場に近い執行委員、とりわけ非専従執行委員が組合活動に関わる時間と組合や労使による取り決めから、企業の将来を担う若手に、労働組合役員のなり手不足を解消するためにはどのような対応が求められ、また、労働組合は何をすべきか考察する。

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