第21回マスターコース修了論文集

連合東京による大学寄付講座の意義と課題
― 学生に伝わる寄付講座の充実を目指して ―

吉松 龍一(連合東京・中南ブロック地域協議会)

<概要>

 現在、労働組合の組織率が低下傾向にある一方で、労働相談件数の増加や、労働教育の機会を求める若者の声などから、ワークルールの理解や労働組合の存在が求められる社会になっていると考えられる。そのような状況の中で、社会に出る前の学生に労働教育を伝えることは重要である。
 連合東京の寄付講座は2015年から実施され、始まってまだ間もないが、今後も継続した取り組みが必要だと考える。寄付講座を通して、労働組合が労働者にとって必要だと理解してほしい。そのイメージを得た上で、労働組合の認知度を上げていくことが、将来の労働組合の組織率上昇につながると考える。大学生に「働くとはなにか」を通して、労働組合の存在意義や組合活動を「連合東京寄付講座」で伝えていかなければならない。
 本稿では、連合東京寄付講座の授業内容と学生からのリアクションペーパーによる分析、大学で労働教育に取り組む専門家のインタビュー調査を行った。労働組合の役員が学生に何をどのように伝えるべきなのか、学生の理解定着が深まる授業形式をどのように考えればいいのか等、充実した寄付講座を目指すための提案をする。本稿を通して、連合寄付講座に講師として関わる労働組合役員や、企画担当を担う地方連合会事務局の一助になるように努める。

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