許 晃(労働金庫連合会)
労働組合役員のなり手不足は、日本の労働組合全般に見られる問題である。労働組合が出資している福祉金融機関である労働金庫においても同様に、なり手不足が課題の1つとなっている。若年層の声を拾い上げ、会社側にその声を伝える職場内民主主義を維持する上でも、組合役員の魅力を発信していくが急務である。
しかし、そもそも組合役員の魅力とはなんだろうか。組合員への組合役員のイメージを問うアンケートと組合役員の活動に積極的な12名に対してインタビューを通して、組合員が組合役員になぜ積極的でないのか、一方で組合役員に積極的な人たちは役員活動のどこに魅力を感じるか、またその魅力を促進、阻害する要因は何かを調査した。
その結果、本務とは対照的な組合活動の魅力として、自分にしかできないことをすること、組合を通じて自発的に仲間とつながること、仲間へ影響力をもたらすこと、そしてそれが肯定的なフィードバックとして還元されることが見つかった一方で、それらが一連のサイクルとして機能しなければならないことが判明した。周囲の非協力的な態度は一連のサイクルを大きく阻害することから、このサイクルを維持する方法について論じた。
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