金田 由佳(連合本部 運動企画局)
近年、「男女共同参画」「女性活躍」と叫ばれる中で、政府や企業等と同様、労働組合においても男女平等参画は重要な課題として位置付けられ、女性役員の数は増加傾向にある。現に、連合では、1989年の結成時の基本文書「連合の進路」において「労働運動をはじめあらゆる分野に女性の積極的な参加を進め、男女平等な社会の実現をはかる」と明示し、1991年10月から男女平等参画のための計画をスタートし、取り組みを進めてきた。ただし、連合全体の女性組合員比率36.2%に対して、女性執行委員の比率は、構成組織で16.4%、地方連合会で13.3%と、ともに20%程度の乖離があり、いまだ「男性中心」の役員構成となっていると言わざるを得ない。
本論文では、各種の調査報告書および地方連合会女性リーダーへのインタビューを通じて、女性参画が進まない原因を探った。結果、①「好意的差別」がある、②性別役割分担意識によって、女性のキャリア形成・教育の機会が少ない、③労働組合の中でのキャリア、人材育成の経路が明確ではないことが主な原因であることが分かった。そして、女性参画を進めるためには、①性別役割分担意識の払拭によるキャリア形成、②誰もが参加・参画できる労働組合活動、③意思決定の場への女性登用、④見せ方の工夫が大事であることが分かった。
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