近藤 大輔(自動車総連・トヨタ自動車労働組合)
近年、職場では嫌がらせ、いじめ等の「ハラスメント」の相談件数が年々増加しており、多くの支援が求められている。一方で、自動車産業をはじめとする日本のモノづくり産業は、生きるか死ぬかの大変革期に直面し、働き方は大きく変わってきており、日々の業務の負荷の増加やリソーセス逼迫で繁忙感が強く、他人に気を配る余裕が無くなってきている。更にはコロナウイルスの感染拡大の影響により、在社での仕事が減ったことで顔を合わせる機会が激減してきていることから、直接会う、会話する場面は益々減少している。ハラスメントによるメンタル不調者の問題解決には不調者だけに焦点を当てるのではなく、周囲のメンバーからの話も聞き、周囲からのサポートなども不可欠であるが、周囲のメンバーも負担感は増す傾向にある。さらに、デジタル社会の中で、休憩時間にもスマホの画面と向き合うメンバーや、在宅ワークにより個人で仕事をする為、オンライン会議・ミーティングで自分本位の発言をしてしまうなど、人に気を遣う余裕が減ってきている事も解決を難しくさせる。こうした環境下に置かれている現在、ハラスメントによるメンタル不調者を救済するとともに、イキイキとやりがい、働きがいをもち続けられる様な環境を構築するにはどうしたらよいのか、労働組合のハラスメント問題への取り組みのあり方を、ハラスメントが起こらない職場の構築方法を含めて、考究することにしたい。
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