第18回マスターコース修了論文集

現場力における労働組合の存在について
― EC市場拡大に伴う宅配現場の変化からの考察―

那須 美沙紀(運輸労連・ヤマト運輸労働組合)

<概要>

 インターネットの普及による日本国内のEC市場の成長と、インターネット通販の拡大により、宅配事業は大きく変化し、新型コロナウイルス感染症により、さらに需要が高まっている。
 私は、ヤマト労働組合に勤めているが、従来、ヤマト運輸では現場力を強みとしており、労使が一体となって、第一線で働く社員が働きやすい環境を構築してきた。急増する物量への対応に伴う現場力の低下に対しても、やりがいのある働きやすい環境構築のために、労使で働き方改革を行った。多くの改革がなされ、現場力の向上につながっている状況である。  しかし、増加し続けるEC荷物により、ヤマト運輸は外部パートナーが連携して配達を行う新たな輸送商品をリリースした。この輸送商品により、現場の働き方はまた違った変化を見せている。この状況がどう変化していくのか、また、外部パートナーが導入されたことによって、労働組合の存在意義にどのような課題が突きつけられているのか、現場力を強化するためにどのようなことが考えられるのかについて、考察をしていきたい。EC市場が拡大したことによる現場の変化や、単組での働き方改革による現場力の影響も踏まえながら考察していきたい。

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