越智 陽介(日本労働組合総連合会)
女性の社会進出が進む中、ここ数年では「イクメン」、「家事の分担」といった言葉も一般的になり、男性に家庭進出を促す動きも多く見られるようになった。しかし私たちの働く職場における男女平等参画が、遅々として進んでいないことはデータからも明らかである。
本論文では職場の男女平等参画が進まない要因がいくつかある中で、「性別役割分担意識(ジェンダーバイアス)の払しょくという課題を男性が自分事化していないからではないか」という視点に焦点を絞り考察する。性別役割分担意識がもたらす不利益を被っているのは女性だけで、男性には無関係なのか。労働組合の男性自身も、もしかすると日ごろ感じている生きづらさの原因は性別役割分担意識によるものであるのかもしれない。近年、男性が男性ゆえに抱える生きづらさや葛藤を男性の視点で研究する男性学の知見を用いながら、解き明かしていきたい。
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