第17回マスターコース修了論文集

長時間労働をなくすために労働組合はどうすべきか
-通建連合における実態を踏まえて-

根本 和幸(情報労連 通建連合 東北情報インフラユニオン)

<概要>

 「組合が認めないから残業ができないのだ」。これは少し前に私が職場にいた際、同じ職場で働く仲間に言われた言葉である。労働組合としての取り組みの弱さを私自身反省するとともに、認識が大きくずれており、何から説明したら良いか分からなくなるほどの衝撃を受けた。ここでは、その場での説明については省略させて頂くこととして、要約すれば、この発言者は「もっと働きたいのだが、労使協約で定めている時間でしか働けない」と言っているのだ。同様の発言は管理者からも聞いたことがある。そのような思いは未だ職場において少なからず残っていると筆者は考える。近年は長時間労働問題が社会的にもクローズ・アップされる世の中で、職場レベルにおいてはなぜこのような実態が一向に改善されないのか。その要因と背景は何なのか。解決に向けて労働組合が取り組むべきことは何なのか。筆者が所属する通建連合の実態を踏まえ、要因を明らかにしつつ今後の労働組合の取り組みを考えていきたい。

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