第17回マスターコース修了論文集

「トラック運輸産業労働者の労働諸条件向上のために」
-労働諸条件の向上に向けた労働組合の役割-

徳留 宏光(運輸労連 全日通労働組合神奈川支部)

<概要>

 我々が従事するトラック運輸産業は、社会における重要なインフラネットの一翼を担い、その重要性や公共性は人々の経済活動や日常生活に必要不可欠なものとなっている。
 東日本大震災等の自然災害時においては、その機動力を発揮し、被災地に緊急支援物資を運び、国民のライフラインの役割も担ってきた。
 しかしながら、運輸産業で働く労働者の労働条件がそういった重要性や公共性に見合っているものかと言えば疑問符が付く。
 日本経済は緩やかな回復基調を示していると言われているが、トラック運輸産業は規制緩和による過当競争の激化や、荷主企業における物流合理化による影響を受け、なかなかその恩恵を享受するには至っていない。それどころか、他産業と比較して低賃金であり、人材不足による長時間労働に歯止めがかからず、むしろ労働環境は悪化しているのが現状である。
 こういったトラック運輸産業の現状・課題を掘り下げながら、労働組合としてどういった役割を果たすことが重要なのか考えていきたい。

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