第17回マスターコース修了論文集

シングルマザーの働き方と労働組合の役割

堀 とも子(日本教職員組合)

<概要>

 現在、労働組合では積極的なシングルマザー対策がとられていない。国や各自治体ではひとり親家庭を対象にした手当の支給などでシングルマザーの生活や就業に関わる支援を強化していても、労働組合ではシングルマザーの就労支援を目的とした政策はすすんでいない現状があり、労働組合でのとりくみを早急にすすめる必要がある。シングルマザーの増加は貧困問題、女性の非正規雇用、女性と子どもの貧困に密接につながる課題であり、労働者の雇用を守り、地位向上を図る労働組合としてとても無視できない。特に近年の離婚の増加によりシングルマザー人口が増加しており、労働組合で女性の働き方に関わる政策を考えて今後すすめていくにあたり、シングルマザーの支援対策は急務である。離婚によってシングルマザーになる女性が増加していること、シングルマザーになることで女性労働者が被る負担が大きいこと、この二点をふまえて労働組合がシングルマザーの働き方を支援できる役割を、連合の政策全体での考察もかねて追究し、労働組合の協働によって女性がシングルマザーになっても働きやすい社会を実現できることを本論文で解明する。

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