第17回マスターコース修了論文集

労働組合は組織内地方議員をどう活用すべきか

中野 秀一(電力総連 東京電力労働組合)

<概要>

 電力関連産業を取り巻く課題の多くは労使関係の枠を超えて政治の場で決定されている。そのほとんどが中央で決定されていることを考えれば、政治活動は国会議員を作ることに最大限の力を注がなくてはならないとなるが、そうするとこれまで労働組合が作ってきた組織内地方議員は果たして必要な存在なのであろうか。
 この問題に答えるため、いくつかの素材を使って、労働組合として組織内地方議員をどのようにしていくべきなのか検討する。第1章では、政治活動の前提条件を検討するために、東京電力ホールディングス株式会社と東京電力労働組合を取り巻く政治的課題から、地方に依存する事柄を明らかにする。第2章では、従来の政治活動を振りかえり示唆を得るために、東電労組政治連盟の立ち上げ時の考えについて考察する。第3章では、現在の東電労組政治連盟の抱える課題解決のために、その一環として立ち上げた検討委員会について記述する。第4章では、組織内地方議員の今後の意義と姿を模索するために、組織内地方議員と職場組合員を対象としたアンケート調査を実施し、その分析を通して、組織内地方議員および組合員はどのように政治に向き合っているのか明らかにする。以上をふまえ、結論としては、組織内地方議員が、職場に顔の見える活動を展開するとともに、産業政策をしっかりと地域から広めていくべきことを提言する。

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