疋田 孝祐(自治労神奈川県本部)
非正規労働者の増加が止まらない。それは、公務職場においても同様だ。2017年3月31日に総務省が発表した「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」の結果(2016年4月1日調査時点)によれば、全国の地方公務員非正規労働者(臨時・非常勤職員)は約64万人おり、地方公務員(常勤職員)が約273万人いることから、実に職員の5人に1人が臨時・非常勤職員ということになる。
その処遇については、正規職員に準じた勤務時間にも関わらず、多くが年間200万円以下と低い賃金水準となっている。さらに、公務職場のアウトソーシング化が進み、民間へ委託する場合、受託者である民間企業は非正規労働者を雇用することが多いため、行政が間接的に、いわゆる「官製ワーキングプア」と呼ばれるような非正規労働者を生み出してしまっている。
また、非正規公務員の雇用は、行政が個人を任務に就かせる任命行為(行政行為)であり、「労働契約」ではないと解されていることから、労働契約法やパートタイム労働法も適用除外とされている。公務員は解雇がなく安定しているという風説は、少なくとも公務の臨時・非常勤職員は該当しない。
今や行政サービスの重要な担い手である臨時・非常勤職員の雇用安定や処遇改善に向け、労働組合として何ができるのか、考察を深めていきたい。
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