金子 好彰(電力総連 関東電力総連)
労働人口が減少する中で、建設業である電気設備工事会社も労働力の確保が喫緊の課題とされている。現場作業に魅力や憧れをもたない若者が増えている中にあって、建設業の代名詞とされる3K職場のイメージも未だ拭いきれておらず、採用難が生じている。加えて、過去の採用抑制から年齢分布が歪となっており、現場作業員の高齢化が進んでいることや、長時間労働を理由とした高い離職率などから労働力の確保が困難となっているため、技術・技能の維持継承にも影響を及ぼしている。さらには電工労働者特有の労働災害といえる「感電」、「墜落」、「切創」、等の災害発生を未然に防げていない状況である。そのような中にあっても電力の安定供給には、電工労働者の技術力を欠かすことはできず、また、技術力を身に着けるにも熟練性が高いことは一般的にも知られていない。
本論文では、入社後の研修過程から実際の現場作業において経験値として身に着けてきた技術力を災害現場においても余すことなく発揮している姿を示すことにより、電工労働者の仕事が魅力ある産業であることを伝えていきたい。そして、現代の若者から支持される仕事となり労働力の確保へとつながり、技術・技能の維持継承につながることを目的とする。
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