第15回マスターコース修了論文集

組合員の政治参画意識向上に向けて
-これまでの活動と組合員の政治に対する意識を踏まえ-

熊野 明子(自動車総連・全トヨタ労連・豊田自動織機労組)

<概要>

 全トヨタ労連は結成当時から、政治政策への取り組みを活動の大きな柱として掲げるとともに、各級議員の擁立にも取り組んできた。現在は政治や政党に対する不信感を解消するために、政治に取り組む意義や政策・制度課題に対する理解を深める活動が中心になっている。
 本稿では、ある加盟組合で組合員を対象に政治に対する意識やニュースソースをアンケート調査した。これをもとに政治への関心度合い、政治の影響を感じることがら、労働組合や組織内議員の活動に対する評価、投票の際に参考にする材料、支援政党への期待などの項目について分析を行った。
 分析から、組合員が雇用や安定した労使関係で守られているにも関わらず、政治の影響を強く感じていることが明らかになった。また、労働組合の政治活動への評価が組織内議員への評価につながっていること、投票行動に対する労働組合の活動の重要性などが明らかになった。
 これらの分析結果とこれまでの政治活動を基に、労連・単組・党がそれぞれの立場でどのように政策・制度課題の理解活動を行っていくかについて提言を行う。

総目次に戻る