第15回マスターコース修了論文集

なぜ女性管理職は増えないのか?
-女性管理職の増加が日本の長時間労働を変える-

青木 卓都(労済労連)

<概要>

 現在、わが国では、女性の活躍が強く求められている。この強まりは、当時の民主党政権において、2010年12月に第3次男女平等参画基本計画が閣議決定され、「社会のあらゆる分野で、指導的地位に女性が占める割合を2020年までに30%程度とする」ことをめざしてきたことが発端にあると考える。これにより、各企業では女性活躍や男女平等に関わる従来からの取り組みの発展と新たな取り組みがより行われるようになった。その当時より政権が変わった今日の日本においても、女性を活躍させるという取り組みは非常に関心の高い話題となっている。
 しかし、このように女性活躍という課題は高い関心をみせてはいるものの、管理職登用比率などの状況を数値的にみると残念ながら女性活躍はすすんでいないことがわかる。結果、「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上としていく」という目標の達成には程遠い状態となっている。
 本稿では、女性管理職の登用という点を焦点に女性の活躍におけるこれまでの取り組みや方策を検証し、なぜこの間の女性管理職の登用がすすまなかったのかを考察していきたい。また、それをふまえ、現在の日本社会において、女性管理職の登用を積極的にすすめ女性が男性と同じように活躍してもらうためには、どのような取り組みや支援が必要なのか検討していきたい。

総目次に戻る