岩井 純(電機連合・アドバンテスト労働組合)
組合活動の原点は工場労働者の活動であり、これは日本においても同様である。しかし、産業構造の変化に伴い開発部門が主体となる会社が増加し、必然的に開発部門主体の組合も増加しているのではないだろうか。
製造部門と開発部門では業務における周囲の人間との関係や業務への意識の向き方などの違いがあり、開発部門は会社に対する親和性が高いと考えられる。
筆者は主に製造部門で働いてきたが、そのためか、開発部門の組合員、組合役員に対して違和感のようなものを感じていた。これを単に個人的な違和感として片づけず、かといって労働者はとにかく団結すべきという漠然とした理想論にも陥らず、違いは違いとしてしっかりと認めながら、それを乗り越えて連帯を強める方法を探さなければならない。
本稿では電機連合の調査結果とA労働組合の事例に基づいて、開発部門と製造部門の違いを考察し、エンジニア主体の組合の可能性を探求する立場から、これからの組合活動のあり方を提言したい。
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