第14回マスターコース修了論文集

ボランティア活動による “気付きの場” 創出

谷川 匡(電機連合・パナソニックグループ労連)

<論文の概要>

 阪神大震災以降、日本でもボランティア活動が定着し、地域の自治会や公益法人、NPO団体が様々なボランティアに取り組んでいる。筆者も組合活動を通じ、いくつかのボランティア活動に参加してきたが、先ごろ起こった広島市での土砂災害現場の復旧支援に個人として参加する機会があった。その際、ある程度“予想された”感動と同時にある種の焦燥感を覚えた。疲労困憊し、泥だらけになりながらも笑顔で作業する面々を眺めながら、組合活動との明らかな温度差を感じたからである。
 これほどまでに、人を惹きつけるボランティア活動とは何なのか。同じ「仲間の為」に活動する労働組合活動では、なぜこの雰囲気を作り出せないのか。それ以来、ボランティアに関する報道があるたびに、その疑問が蘇えることとなった。
 「組合離れ」に対し、なかなか有効な手立てが見つからない中、次代を担う人材づくりは急務である。本稿ではボランティア活動と労働組合活動の比較、あるいはボランティア活動に参加することによって、人材づくりにどのような効用があるかを考察する。

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