中善寺 真美(日本教職員組合)
日本教職員組合(以下、日教組)のとりくみは、すべての子どもたちの「ゆたかな学び」につながる教育研究活動や教育政策への提言と要求、子どもとむきあう時間を確保するための教育条件整備に代表される。中でも、教育政策への提言・要求は教職員としてのアイデンティティを守るために極めて重要なとりくみであり、そのためには教職員団体として教育政策の議論に積極的に参加する必要があると考える。
しかし、今日の日本では国の教育政策に直接教職員団体が関与できていない。これは、子どもや教育現場の状況を一番よく知る教職員の意見が教育政策に反映されないことを意味する。しかし日教組は、国・都道府県・市町村の各行政レベルにおいて教育政策への提言・要求を粘り強く継続し、毎年開催している「教育研究全国集会」では、現場教職員がより良い教育にむけた議論を重ねている。
本稿では、今日の日本の教育改革に対する日教組のとりくみの現状と課題を把握した上で、教育政策に対して発言できる仕組みを探る。具体的には、日ごろの現場教職員の教育研究活動の集約であり、教育政策への提言・要求の土台となる「教育研究全国集会」での発表を手掛かりとして、今まで日教組のとりくんできた教育改革を検討し、今後のあり方について提言したい。
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