第13回マスターコース修了論文集

事業再編における労働組合の課題
-グループ経営施策による自企業の雇用確保の観点から-

高田 佳宏(自動車総連 全本田労連 中央執行委員)

<論文の概要>

 昨今の日本企業を取り巻く環境は大きく変化しており、企業は環境変化に対応するとともに競争力強化のため、事業の分社化、事業の再構築、グループ再編、営業譲渡などを行っている。
 そのような中、日本の労働組合は主に企業別労働組合という形態で、雇用確保と労働条件の維持向上を目的に活動しているが、雇用と労働条件の交渉相手は自企業であることが主流である。
 企業経営に対する影響力という観点では、株主が大きな影響力を持ち、グループ経営の観点でグループ施策への連動も求めている。その結果、従業員の雇用や労働条件に影響を与えることが少なくない。
 株主の影響が大きくなる中で、株主の施策展開によって自企業の事業再編を迫られた企業を事例として、企業別組合、企業別労働組合のグループ労連、日本の労働組合の課題や今後問題になると考えられる事項について考察したい。

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