前田 藍(全日本自治団体労働組合)
介護保険における要支援などの予防給付については、地域支援事業への移行が検討されており、地域における介護予防サービスの受け皿づくりは喫緊の課題である。とはいえ、「無縁社会」といわれるように、地域におけるネットワーク基盤は希薄になっており、意識的に地域資源をつなぎあわせ、再構築していくことが不可欠である。介護保険制度創設の理念であった「介護の社会化」、すなわち家族介護だけに依存するのではなく社会全体で介護を支えていくには、それぞれの地域の力を高め互助の担い手をつくりだしていくことが必要となる。こうした問題意識にたって本論文では、地域における介護の拠点となる地域包括支援センターにおいて、互助の担い手を見出し、市民自治を機能させる中心となっている保健師の事例をもとに、市民自治を育む自治体職員の働き方を考えるとともに、労働組合の果たすべき役割を探る。
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