第13回マスターコース修了論文集

非正規化・晩婚化時代の労働組合の役割
-男性非正規労働者のインタビュー調査を中心に-

鈴木 博行(情報労連 NTT労働組合)

<論文の概要>

 晩婚化は少子化の大きな要因となり、少子化は労働力人口の不足をはじめ、結果として社会に大きな影響をもたらすのではないかと懸念されている。正社員と非正規労働者の違いで晩婚化の傾向をみると、年代が上がるにしたがい顕著となり、「30~34歳」における正社員に対する非正規雇用(非典型雇用)既婚者の割合は、半数未満となっている。
 日本の全労働者の35%を非正規労働者が占める状況にあって、NTTグループに属するA社グループにおいても非正規労働者は増加傾向にあり、非正規労働者の労働条件改善は、引き続き重要な課題となっている。
 晩婚化については、さまざまな要因があると考えられている中、本研究では、雇用の非正規化と「正社員への登用も視野に入れた有期雇用」における労働条件改善の視点から、調査研究に取り組んだ。職場環境に加え、家族構成や前職における状況など調査項目を拡げての聞き取り調査にもとづいて以下では、意見・要望の実相を把握するとともに、改善すべき問題についての考察を行なうものとする。

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