第12回マスターコース修了論文集

高年齢者雇用安定法改正に伴う労働組合としての取組み課題

本間 隆一(生保労連)

<論文の概要>

 改正高年齢者雇用安定法が本年4月1日から施行され、「希望者全員の継続雇用確保」が企業に義務付けられる。高齢者雇用に関しては、9割以上の事業所で「継続雇用制度」が導入され、今回の改正では「制度上の適用基準廃止」が論点とされている。そこで、今回の論文を通じ、「高年齢者雇用確保措置」のうち、多くの企業で導入され、かつ、今回の改正の論点となっている「継続雇用制度」に焦点を当て、課題点の確認・検討を行うこととした。検討を進める中では、今回の改正趣旨でもある「希望者全員の65歳までの就労環境整備」の実現に向け、「改正高齢法・労働契約法の留意点」や「人事・賃金制度に関する実務上の留意点(若年者雇用との関連事項、対応策等を含む)」等を基に、対応策に関する取りまとめを行った。
 その上で、年齢を問わず、誰もが「働くことを軸とする安心社会」の一員であり続けるため、「労働組合の立場からは、どのような視点の下で取組みを進める必要があるのか」との「今後の運動の方向性」に関して取りまとめを行った。取りまとめを行う中では、「定年後再雇用を含め、様々な多様な働き方を可能とする」制度設計・運営の必要性に関する示唆を行っている。

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