『連合とそのまわりの刊行物』

※このコーナーでは、連合構成組織・単組、地方連合会および連合の関係組織などによる刊行物を、
原則として持ち込みで紹介しています。掲載希望の場合はこちらまで
図表でみる世界の社会問題4 OECD社会政策指標~貧困・不平等・社会的排除の国際比較~

久谷與四郎著
発行:富士社会教育センター
定価:834円+税
2017年9月

1. 日本の労働運動100年 
 温故知新 いま原点に立つ 大正元年・友愛会創立から連合結成まで

 大正元年(1912年)に鈴木文治が設立した「友愛会」設立を原点に、その「労働組合主義」の系譜がどのように守り続けられ、それが「連合」どう引き継がれたのかという流れを、本書では戦前、戦後、労働戦線統一の動きの3章に分けて書いている。労働運動の先達たちの苦労や努力に秘話も交えて、非常に分かりやすい。
 日本の労働運動は戦前戦後を通じて、共産党を中心とした階級的イデオロギーに振り回され、統一的な歩みや活動が阻害されてきた。それをその時々の運動指導者が、丁寧にねばり強く障害を取り除く努力を重ね、相互信頼を築きながら「連合」を誕生させた。その誕生は日本の労働運動が「階級的イデオロギー」からついに決別し、「労働組合主義」を中心理念とする運動へと脱皮を果たしたことを意味した。鈴木文治に発した労働組合主義が連合に受け継がれるまでを軸にして、日本の労働運動史に新しい視点を提供している。
 もともとはUAゼンセン機関誌に連載され、一般組合員の読者を意識して書かれたので、非常に読みやすいし分かりやすい。一般組合員はもちろんだが、初めて組合役員となった幹部にはもってこいの参考になる本だ。

発売元または書店にてお求めください。

オルグ」の鬼・・・今日の労働運動に一石を投じることができれば!

宮本太郎編著
発行:勁草書房
定価:2,500円+税
2017年10月

2.転げ落ちない社会 困窮と孤立をふせぐ制度戦略

 全労済協会では、2016年3月に中央大学法学部教授 宮本 太郎 氏を主査に「格差・貧困の拡大の原因と是正施策に関する研究会」を設置し、3つのライフステージ(教育・就学前・就労前)と、3つの場(就労・家族・居住)の観点から是正施策について検討を重ねてきた。
 本書は、その研究の成果として、2017年10月に書籍『転げ落ちない社会 困窮と孤立をふせぐ制度戦略』を勁草書房から発刊したものである。
 今日の日本に広がり続ける困窮と孤立。誰も転げ落ちることがない社会に向けて、打開の道をいかに切り開くか、生活保障の新しいアプローチを提起している。

発売元または書店にてお求めください。

杉本貴志編/全労済協会監修
発行:日本経済評論社
定価:2,100円+税
2017年11月

3.格差社会への対抗 新・協同組合論

 全労済協会では、2015年5月より、関西大学商学部教授 杉本 貴志 氏を主査に「協同組合研究会」を設置し、格差が深刻化する日本社会の諸問題を、ユネスコ文化遺産に登録された協同組合は克服できるのか、という視点で議論を重ねてきた。
本書は、その研究の成果として、2017年11月に書籍『格差社会への対抗 新・協同組合論』を日本経済評論社から発刊したものである。
 いま、揺らぐ「食」と「職」、そして「地域」を救う可能性を、「協同」する人と人のつながりから見つめ直している。

発売元または書店にてお求めください。

神野直彦・井手英策・連合総研編
発行:岩波書店
定価:1,900円+税
2017年9月

4.「分かち合い」社会の構築-連帯と共助のために

 本書は、連合総研設立30周年記念事業の一環として設置した「連帯・共助のための社会再編に関する研究委員会」(主査:神野直彦・東京大学名誉教授)の研究成果である。ポピュリズムや排外主義が世界を覆うなか、他者の痛みを分かち合い、お互いが支え合える社会はどうすれば可能か。気鋭の学者らが討議を重ね、労働、環境、生活保障、教育、地域社会、政治、財政の視点から、人間らしい社会への道筋を具体的に構想する。

発売元または書店にてお求めください 。

発行:連合総研
2017年9月

5.非正規労働問題の今後の課題を探る 
ドイツ、イギリスの非正規労働の実状と労働組合の取り組み~日本への示唆~

 本報告書は、連合総研設立30周年記念事業の一環として設置した「非正規労働の現状と労働組合の対応に関する国際比較調査委員会」(主査:毛塚勝利・法政大学大学院客員教授)の研究成果である。ドイツおよびイギリスにおける現地調査をふまえ、非正規労働問題に対して労働組合はどのような視角で問題を設定し、対応を考えることが求められるのかという問題意識で分析を行った。また、総体としての非正規労働を捉え整合的な法政策を追求する統合的アプローチの必要性も説いている。
 なお、本報告書は連合総研のホームページで全文を読むことができる。

問い合わせ先:連合総研

編集・発行:連合総研
制作・発売:コンポーズ・ユニ
定価:1,600円+税
2017年10月

6.人間らしい働き方の実現<2017~2018年度経済情勢報告>

 連合総研では勤労者生活にかかわる内外の経済情勢を分析し、毎年「経済情勢報告」として発表している。第30回目となる本報告書においても、労働者の福祉の向上、良好な雇用・就業の確保など、勤労者の生活に密着する諸問題に関心の重点をおいて、経済および社会について客観的な分析にもとづいた提言を行っている。
 第Ⅰ部では、この1年間を中心に最近の経済動向を振り返り、かつてないほど人手不足感が高まっているにもかかわらず実質賃金が伸び悩み、労働分配率が低い水準にある現状について分析を行った。
 第Ⅱ部の「人間らしい働き方の実現」では、非正規雇用の見直しに関して、若者をはじめとする自発的でない非正規雇用への就業から「期限の定めのない直接雇用」である正規雇用への転換の促進が重要であることを明らかにした。また人間らしい生活を確保するには、労働者の意思が尊重される「時間主権」を軸とした生活時間の配分・配置の見直しが喫緊の課題であることにも言及している。

発売元または書店にてお求めください。

発行:連合総研
2017年10月

7.連合の春闘結果集計データにみる賃上げの実態2017
 -経済社会研究委員会賃金データ検討ワーキング・グループ報告-

 連合総研では、連合から提供を受けた春闘回答速報集計作業のためのデータを分析し、春闘の結果に関するマクロ・ミクロの実態を明らかにすることを目的に報告書をまとめている。
 今回で3回目となる本報告書で明らかになったのは、2017春闘において、2016年に続いて賃上げ率の規模間格差が縮小していることである。また、2014春闘以降の合計の賃上げ率の分布をみると、高い賃上げ率に位置する層の伸び率は鈍化したが、低い賃上げ率に位置する層の伸び率は上昇していることも明らかになった。

なお、本報告書は連合総研のホームページで全文を読むことができる

問い合わせ先:連合総研

発行:教育文化協会
定価:200円+税
2017年9月

8.Rengoアカデミー・マスターコース講義録No.22『労働法の基礎』

 Rengoアカデミー・マスターコースは、労働運動・社会運動の将来を担うリーダーの育成を目的に、前・後期の集中合宿と必修ゼミをおこない、修了論文をまとめる1年間のプログラムである。
 この講義録は、2016年11月23日のRengoアカデミー・第16回マスターコースで、浜村彰法政大学法学部教授が講義した『労働法の基礎』を収録したものである。 内容は、第1部「労働法総論と労働組合法」、第2部「労働基準法」、第3部「労働契約法」の3部で構成され、組合役員が知っておくべき労働法の基礎知識を網羅している。図表や判例とともにわかりやすくまとめており、実際の職場での活動や学習会などで活用しやすい内容となっている。

問い合わせ先:教育文化協会

発行:教育文化協会
2017年9月

9.Rengoアカデミー第16回マスターコース修了論文集

 この論文集は、Rengoアカデミー第16回マスターコース受講生の修了論文を、中村圭介法政大学大学院連帯社会インスティテュート教授の監修のもとでまとめたものである。ワーク・ライフ・バランスの実現、女性のキャリア形成、非正規雇用労働者の組織化、希薄化する組合員とのコミュニケーションを深める方策など社会全体あるいは職場や労働組合が抱える課題について、受講生一人ひとりが熾烈な問題意識・関心を持って考察を深めた力作がそろっている。
 なお、第17回マスターコースは、2017年11月19日に開講予定である。

問い合わせ先:教育文化協会

発行:連合
編集:教育文化協会
2017年10月

10.第14回「私の提言-『働くことを軸とする安心社会』の実現にむけて-」
 入賞提言集

 連合は「山田精吾顕彰会の論文募集」事業を継承し、2004年から「私の提言 連合論文募集」を教育文化協会と共催で実施している。「山田精吾顕彰会」から通算すると今回で20回目、連合が引き継いで14回目を迎えた。なお、第8回より、「私の提言-『働くことを軸とする安心社会』の実現に向けて-」に名称を改め、募集を行っている。
  今回は、労働組合内外を含めて計67編の提言が寄せられ、中には海外から寄せられたものもあった。多くの提言が、様々な事情で働くことに困難を抱えている人への支援策や、ワーク・ライフ・バランスの実現、格差・貧困問題への対応、少子高齢化対策、政治問題など時宜を得たテーマを取り上げており、それぞれが「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて今後の連合運動の参考になるものであった。
 本提言集には、その中から厳正かつ公正な審査を経て選ばれた優秀賞1編、佳作1編、奨励賞3編、学生特別賞1編が収められており、教育文化協会のホームページで読むことができる。

問い合わせ先:教育文化協会

 

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