ものがたり戦後労働運動史刊行委員会 編
(社)教育文化協会 発行
四六判/286頁/本体価格1,800円+消費税
最新刊連合新書10
全民労協の発足から連合結成へ
労働戦線統一準備会はその組織力を高め、82年に全民労協を発足させた。全民労協は中曽根行革下で、85年までに組合員数の目標を600万人にするまでに成長した。
電電公社、専売公社、国鉄の民営化、男女雇用機会均等法、労働基準法の改正、円高、バブル経済などの社会の流れの中で、84年に総評は全民労協を全的統一の第一段階とした。国労などの反全民労協の動きや、単産レベルでの再編や亀裂が全的統一の壁とはなったが、85年に連合組織移行準備委員会が発足され、「民間連合」、「全労連」と「全労協」を経て、89年に「連合」が結成された。労働界全体の統一を目指し、官民相互の信頼関係から実現したものだ。
80年代の労働運動の動向が描かれた第10巻の刊行。21世紀の労働運動のあり方を左右する若い労働者必読の一冊。
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本シリーズの特長
平易で簡潔な記述、ハンディな造本で、いつでもどこでも気軽に読めます。
労働組合運動の歴史を学ぶのに絶好のテキストになります。組合員の学習用に購読をおすすめください。
本シリーズは、本文記述がものがたり風で平易であるだけでなく、各種のコラムを多数織り込んで、資料としても十分な実用性をもつよう工夫しています。
たとえば前巻までのあらすじ、略年表、各章の概要、人物メモ(主な組合リーダーと学者・政治家など)、用語解説、基礎的な経済統計資料、写真・似顔絵、「残された謎」など、盛りだくさんです。ぜひ一度手にとってご覧ください。 |
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ものがたり戦後労働運動史 Ⅹ 目次 |
第53章 全民労協の発足
1 |
統一準備会の論議始まる |
2 |
ストなし82春闘
(1)世界同時不況
(2)1兆円減税要求
(3)前年なみ賃上げ要求実現せず |
3 |
総評民間単産の準備会参加」をめぐって |
4 |
国鉄のブルトレ、ヤミカラ、ポカ休問題 |
5 |
草の根の反核平和運動 |
6 |
マルとチョンのあいだ
(1)総評大会の論議
(2)第3陣3単産加盟をめぐって
(3)最後のハードル海員組合の「共産党候補」推せん |
7 |
人事院勧告の凍結・中曽根内閣の登場 |
8 |
統一労組懇、「階級的ナショナルセンターへ」 |
9 |
全民労協の結成 |
第54章 中曽根行革下の労働運動(I)
1 |
4団体共闘と短期決戦の83春闘 |
2 |
産レベルの再編と亀裂
(1)全国金属と私鉄総連
(2)労研センターの発足と統一労組懇の動向
(3)カベをこえる産別再編の胎動 |
3 |
行革審と国鉄再建管理委員会 |
4 |
83年参議院選挙 |
5 |
労働組合指導部の交代 |
6 |
連合体移行への山田構想 |
7 |
年末総選挙と自民・新自由クラブの連立内閣 |
8 |
84春闘と賃金闘争連絡会
(1)内需依存を求めて
(2)ME化をめぐる方針
(3)鉄鋼不況の影響 |
9 |
電電公社と専売公社の民営化 |
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第55章 中曽根行革下の労働運動(II)
1 |
全民労協、連合体への地ならし |
2 |
学研センターと統一労組懇 |
3 |
国鉄の分割・民営化をめぐる緊迫 |
4 |
労働時間短縮と85春闘 |
5 |
地方行革と臨教審 |
6 |
男女雇用機会均等法の制定 |
7 |
87年連合体化へ向けてのスタート |
第56章 構造変化への対応
1 |
プラザ合意 |
2 |
社会党新宣言 |
3 |
国鉄・労使共同宣言 |
4 |
円高下の86春闘 |
5 |
突然の衆・参同日選挙 |
6 |
国労の修善寺大会 |
第57章 民間連合のスタート
1 |
全民労協、連合体移行を決定 |
2 |
企業の海外移転と労働組合 |
3 |
合化労連の分裂 |
4 |
労働関連法規の改定
(1)労働者派遣事業法の成立
(2)労働基準法の改正 |
5 |
パートユニオンとコミュニティ・ユニオン |
6 |
全労済運動の新たな発展 |
7 |
87春闘と売上税阻止 |
8 |
金属労協のあり方と交運労協の結成 |
9 |
民間連合結成にむけての
ナショナルセンターの立場 |
10 |
全的統一をめざす官公労働組合 |
11 |
全労連と全労協への道 |
12 |
同盟と中立労連の解散 |
13 |
民間連合の結成大会
統一推進会の成立にむけて |
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