第11回マスターコース修了論文集


子どもの貧困と教育
―ひとり親家庭の子どもたち―

内田 敬子(日本教職員組合)

<論文の概要>

 少子・高齢化社会をむかえ、国は少子化対策を訴えているが、その子どもたちは幸せに暮らしているだろうか。厚労省によると、1985年に10.9%であった「子どもの貧困率」は2009年には15.7%に増加した。中でも、ひとり親家庭の貧困率は著しく高く、半数以上が貧困世帯となっている。なぜこのような状況が起こっているのか。日本国憲法第26条では「教育の機会均等」を謳っている。子どもひとり一人の能力が十分に発揮できるように生活環境や教育環境を整えることが必要ではないだろうか。どんな家庭環境にあっても、子どもたちが安心して生活し、学習に専念できるよう、保護者が経済的に安定し子どもを安心して育てられるようにすることが必要ではないだろうか。
そこで本論文では、経済的困難を抱えるひとり親家庭の子どもたちについて現状を明らかにし、ひとり親への支援の実態について調査を行い、就学年齢の子どもとその母親の視点に立ち教育面及び生活面での課題と改善策について考察した。そして教育費の保護者負担の軽減や教育と福祉の連携などの支援策が必要であることを示した。そのうえで労働組合として全ての労働者のセーフティーネットとなるようとりくむことを提言した。

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