産業の空洞化と労働組合の役割について
―日本にモノづくりを残すために―
高橋 英樹(自動車総連 全国本田労働組合連合会)
<論文の概要>
リーマンショック以降の急激な円高により、輸出を中心とした事業構造は限界にきており、国内市場の縮小や海外への生産シフトなどによって自動車産業においても空洞化が進展しようとしている。この背景には、円高の進行など経済情勢の変化とそれに伴う競争力低下を回避するための企業戦略の変化があると考えられる。このような状況の中で、雇用確保を最優先にしながら日本にモノづくりを残すための取り組みが、今まで以上に労働組合に対して求められている。今後、製造業に必要なのは、日本の強みであるモノづくりを日本に残し、労使一体となって生産・開発などの領域でイノベーションを進めていくことは勿論のこと、職場環境や安全・メンタルヘルスへの対応、人材育成などに対する取り組みを強化することで働く者のモチベーションを高めていくことであると考える。
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