連合体としての価値を高めるために
―「なぜ加盟しないのか。加盟を呼び込むために」への考察―
鈴木 人司(連合本部総合組織局)
<論文の概要>
労働組合の組織率はここ数年18%で推移し、連合の組織人員も約680万人(厚生労働省・労働組合基礎調査(2012年)・暫定値)と、組織拡大の努力もあって下げ止まっているものの、減少の一途をたどってきた。「働くことを軸とする安心社会」の実現には、組織拡大・強化は、その担い手となってくれる仲間を増やす意味でも必要である。
その組織拡大の取り組みのひとつとして、未加盟組織の加盟に向けた働きかけが行われているが、それら未加盟組織は、すでに組織化された単組や産別組織でありながら、その上部団体、とりわけナショナルセンターである連合、あるいは連合加盟の産別組織に加盟しない。
加盟を躊躇する理由としていわれる「『会費』の対価として何を」ではなく、これを超える、会費を払ってでも携わりたいとする行動その他があり(たとえば、「対話」、「実現への参加」と、「成果の実感」のサイクルへの参画、等)組織もその機会参加を通じて成長できる。その機会の創出と提供のため、参加を呼びかける側としても、早い専従者交代サイクルへの対応や、加盟される側へのコミットメントの度合いを増やしてもらうための取り組みが必要である。結果、メンバーシップの価値を高めることついて考察し、提起した。
┃総目次に戻る┃