労働組合運動の再活性化
―組合結成の事例から考える―
大谷 直子(JAM)
<論文の概要>
組織率の低下と社会的影響力の相対的弱体化に直面する労働組合が、状況を反転するためには、どのような対抗策を採り得るのか。本稿では、組織化を根源的課題と捉え、労働組合運動の再活性化の可能性を探ることを試みる。日本における組織化の形態には、企業別組合を前提とした、組織された企業における未組織労働者の組合員化と、未組織企業における組合結成、および、コミュニティーユニオンのような個人加盟によるものなどがあると考えらえる。ここでは組織化として、第1節で組合結成の事例を取り上げ、そのプロセスをたどることによって課題を抽出する。第2節では海外労働組合の新たな組織化の取り組み事例から課題を明らかにする。第3節では組合再活性化論の整理を行い、第4節で、国際比較の視点から日本の組織化戦略策定について考察と若干の提言を行う。
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