白鳥 優一
日本における労働組合の組織率は、1980年代以降低下傾向にあり、厚生労働省令和5年労働組合基礎調査(1)では16.3%となっている。これは先進国の中でも最低水準である。
日本の労働組合の組織率の低下と労働運動の衰退は、社会の変化と共に労働者の意識や行動様式が変わったことを示している。
このような状況においても労働運動を推進し、組織を率いることができる組合役員の存在は欠かせない。これは労働運動に携わる誰しもが一度は耳にしている言葉である。
加えて、企業の競争力向上のために人材育成が大切であるのと同じように、労働運動の推進を後押しできるためのスキルを身につけた組合役員としての資質を兼ね備えることも寛容であると考える。つまり、組合役員の育成も欠かせない大切な取り組むべき課題であると考える。なぜならば組合員は、意識するしないにかかわらず、組合費というコストを支払う見返りとして、何らかの恩恵を期待している。それは、単なる労働条件の向上だけにとどまらない。最近では、仕事と生活を調和させ、両方を充実させるワークライフバランスに重きを置く組合員も少なくはない。むしろ大半の組合員はそうではなかろうか。
今日の日本では、その組合員の恩恵に応えるのは、「単組」の組合役員である。労働組合がどんなにたくさんの資金を持っていても、それを有効に使うことができなければ、組合費を集める意味はない。組合が持つ資金をうまく活用して、組合員に大きなベネフィットをもたらすためには、アイデアと実行力をもった有能な組合役員が必要である。
そして、日本における労働運動を根底で支えているのは単組であり、そこでの組合役員の実態を明らかにしなければ真の課題を追求することはできない。
更に、単組はナショナルセンターである連合や産業別労働組合における組合役員の最も大きな供給源である。
既存の調査から組合役員としての意識の変容など現状の課題を探るとともに単組の組合役員と退任した組合役員経験者のインタビュー調査を実施し、組合役員の人材不足の真の課題を追求したうえで組合役員の人材確保と人材育成への対応を提言する。
既存の調査である次代のユニオンリーダー調査から「第5回次代のユニオンリーダー調査(2)」(以降、「第5回調査」とする。)と「第4回次代のユニオンリーダー調査(3)」(以降、「第4回調査」とする。)の7年における組合役員の意識の変容から組合役員の人材不足の課題を明らかにした。
図表1では、「あまり経験しない」が2.3ポイント減少し、「よく経験する」が4.5ポイント増加していることがわかり、組合役員のなり手となる人材が不足している課題は健在であり、より深刻な課題になっていることがわかる。
図表1 支部・単組の執行部へのなり手がいない
出展:「次代のユニオンリーダー調査」2022年12月、「次代のユニオンリーダー調査」2015年7月より
筆者作成
次に組合役員となりうる人材が不足する事態になっているのかを既存の4つの調査結果から見出した。
図表2では、憧れや目標となる先輩役員がいないと感じる「よく経験する」、「ときどき経験する」が6.8ポイントも増えていることがわかる。年々憧れや目標となる先輩役員が減少し、組合役員を引き受けたものの、そこから憧れや目標となる先輩役員がいないことで、日々の組合活動のモチベーションや組合活動に対してのやる気に影響を及ぼし、組合役員の人材不足の一因となっているのではないかと推測できる。
図表2 憧れや目標となる先輩役員がいない
出展:「次代のユニオンリーダー調査」2022年12月、「次代のユニオンリーダー調査」2015年7月より
筆者作成
図表3で悩みや不満の大半を占めているのが、「自分の時間や家庭生活が犠牲になる」(37.8%)、「仕事が忙しくて組合業務ができない」(30.2%)、「組合が忙しくて仕事に支障をきたす」(21.4%)と組合活動と生活や仕事との両立に関する悩みや不満である。
次に多いのが「代わりがいないのでやめられない」(22.0%)、「組合活動の成果が感じられない」(19.9%)、「仕事や職場の変化についていけない」(18.0%)、「今後の組合役員としての将来が心配」(13.6%)といった組合役員の人材不足や自身のキャリアプランへの影響である。これらの結果から「組合活動と生活・仕事の両立」と「人材不足や自身のキャリアプランへの影響」この2つの事柄も組合役員の人材不足の課題を語るうえでは重要な論点である。
図表3 組合活動で感じる悩み不満
出展:「第5回 次代のユニオンリーダー調査」2022年12月
※当該項目は第5回調査から実施したため、第4回調査実績はない。
図表4では、組合役員を引き受けることが企業内で魅力あるキャリアパスでなくなっているということがわかる。これは、組合役員の人材確保に大きく影響を及ぼす調査結果であり、労働組合としてこの結果をしっかりと直視していかなければならない。
図表4 組合役員が、以前ほど企業内で魅力あるキャリアではなくなっている
出展:「次代のユニオンリーダー調査」2022年12月、「次代のユニオンリーダー調査」2015年7月より
筆者作成
これらの課題があってなお、現役組合役員がなぜ組合役員を引き受けるのか。図表5の調査結果では、自発的に組合役員となる人はほんの一部であり、大半は受動的で誰かしらの関与に影響を受けて仕方がなしに引き受けていることが伺える。この経験は恐らく現役組合役員の半数以上が経験してきたことではないかお推測する。
しかしながら、この結果に悲観する必要はないと考える。言い方を変えれば労働組合側から適切な関与をすれば組合役員を引き受けてくれる人がいることがわかる。
図表5 執行委員・役員になったきっかけ
出展:「次代のユニオンリーダー調査」2022年12月、「次代のユニオンリーダー調査」2015年7月より
筆者作成
図表6では、他にやる人がいなければとやむを得ずに継続を選択する組合役員が多いことがわかる。また注目すべき点は「どちらともいえない」(30.1%)という判断を示さない組合役員も全体の3割を占めていることである。
この層の組合役員が継続の意識を示すように変えていくかが、今後の労働組合の活性化に繋がる重要なポイントになると考える。
図表6 組合関係の役職の継続について
出展:「次代のユニオンリーダー調査」2022年12月、「次代のユニオンリーダー調査」2015年7月より
筆者作成
図表7では、組合役員として育成されていないと感じる組合役員が増えており、育てられないことが組合活動に対する不満や愛着心の低下につながっているのではないかと推測できる。従って、組合役員の人材不足を解消するためには現役組合役員の人材育成も欠かせない重要な課題である。
図表7 組合役員・委員として育成されている実感
出展:「次代のユニオンリーダー調査」2022年12月、「次代のユニオンリーダー調査」2015年7月より
筆者作成
既存の調査で明らかになった課題から「組合役員というキャリアの魅力」、「組合役員の人材育成」の2つの視点から労働組合の全体的な傾向を単組のミクロの視点のインタビュー調査で検証した。インタビュー調査は、全国電力関連産業労働組合総連合(以下、「電力総連」とする。)に加盟する1つの単組(以下、「A労働組合」とする。)の現役組合役員と退任した組合役員を対象に実施した。
A労働組合は、約1万2千の組合員が加盟する電力総連においても比較的規模の大きい単組である。今回のインタビュー調査では組合役員のうち組合専従者を対象とした。
また、A労働組合は2~4年に退任時期が集中しており、特に3年目で退任する組合役員が多い。そのことから3年目を中心に、多様な組合役員の生の声を聴くために、年代、性別、役職のバランスを考慮し、組合役員および職場復帰した組合役員経験者に実施した。特に現在組合活動を担う現役組合役員と職場復帰した組合役員経験者の異なる視点から課題を探った。
組合役員になることは本当に魅力がないのか、組合役員を経験して得られたこと、組合役員が魅力あるキャリアと認識していたかインタビューし、「組合役員の隠された魅力」に迫った。
組合役員を経験して得られたことは、職場では経験出来ないような視野の広い知識の習得や何よりも人間関係の構築が最も経験として得られていることがインタビュー調査からわかった。
他に特徴的な点としては、インタビューの中で、一般職で組合役員となり、その後管理職で職場に戻ってから、一般職の時代には意識しなかった後輩の育成についても、組合役員時代の世話役活動などを通して培ってきた経験が職場での管理職としてのマネジメントに活かされていると話していたことは注目する点であった。
また、職場復帰した組合役員全員が組合役員の経験が活かされたと話しており、組合役員を経験する魅力は充分にあると言える。
一方で、インタビューにおいて組合役員を経験しないとわからないことであり、組合役員を引き受ける際には知らなかった。実際にやってみないと分からなかった。と話していたことも注目しなければならない。
組合役員というキャリアの魅力には組合役員になってから時間を経過してから始めて気づくものである。更に、職場に戻ってからその魅力をより強く感じていたのである。人材確保するうえでは、退任間近や職場復帰後にその魅力に気づいてからでは遅いのである。
つまり、魅力はあるが気づくには時間を要する「組合役員の隠された魅力」であると言えよう。
インタビュー対象者全員が魅力ある経験をしたと話す一方で、企業内で魅力あるキャリアと感じるかと問うとその魅力が必ずしも企業内で魅力あるキャリアに結びつくとはいえないことがわかった。
しかしながら、職場復帰した組合役員経験者はインタビュー時に組合役員を経験することは企業内で魅力あるキャリアであると話していた。インタビューにおいて職場に戻ってみると組合役員は魅力あるキャリアの一つであると感じたと話しており、現役で組合役員をしているときは感じられなかったことが職場に戻ってやっとわかるということがわかった。
つまり、組合役員になる以前や現役組合役員では魅力あるキャリアに気づける人が一握りである。現役組合役員がその魅力あるキャリアに気づいていないことが大きな問題であることがわかった。
したがって、いかに早い段階に組合役員を担って得られる経験が企業内で魅力あるキャリアであることに結び付け組合役員を担う人材を呼び込むことが重要であるといえる。
次に労働組合としてなぜ活かせなかったかを組合役員というキャリアの魅力が伝わっていたか、更には組合役員の人材育成がなされていたかの2つの観点から「労働組合としての失策」に迫った。
インタビュー結果から、対象者全てが自ら組合役員になることを選択したわけではなく、かつ、大半が労働組合からではなく会社の上司からの声掛けであることがわかった。そして、職場で組合活動や青年部活動を精力的にやっていて、心から労働組合役員になりたいという自主的な姿は、少なくともA労働組合のインタビュー対象者にはいないことがわかった。
一方で、組合役員になることが後ろ向きではなく、その形式においても会社の上司あるいは労働組合の委員長からの勧誘では、組合役員になることがその人個人のキャリアに影響あるものだと伝えてくれている場合もあることがわかった。
しかしながら、組合役員を引き受けるきっかけになり得る組合役員の魅力を、労働組合として充分に発信出来ているとは言い難い結果であった。
A労働組合では、組合役員としての人材育成は初期導入の研修以降はOJTが主流となっていることがわかった。インタビューにおいて組合役員のキャリアプランを考えるのであれば中長期的な育成計画があった方が良かったとの発言があり、組合役員として育成されている実感はなく、大半が組合役員としての人材育成を求めていたことが分かった。
また、「組合役員として続けていくのか、職場に戻るのか、先行きを示されないことは不安であった。」「育成計画などビジョンを示すことが必要であったと職場に戻ってから強く感じた。」とインタビューの中で現役組合役員時代に不安を抱えていたことを語っていたことが印象的であった。
組合役員を引き受けることは受動的であり、誰かしらの関与に影響を受けていること、組合役員を引き受けることが企業内で魅力あるキャリアでなくなっていると感じていること、そして組合役員から組織立った人材育成が求められていることが明らかになった。そこで4つの人材確保と人材育成への対応について提言する。
既存の調査で明らかになったように、組合役員が組合活動と生活・仕事の両立が図れないことには、組合役員の人材確保や人材育成の仕組みづくりのスタートラインには立てない。
組合役員になると多忙で業務に追われているという話はよく耳にすることである。筆者自身も組合専従者でありながら、組合活動と生活の両立には苦労している面もある。多忙になる要因は人材不足など様々あるが、とりわけ紙ベースの文書管理や、対面での会議など、アナログ方式で行われている活動スタイルである。徐々に改善は図られているものの時代の流れには追いついていないといえる。
決して、過去から脈々と継承されてきた労働運動の精神を受け継ぐことは否定するものではない。しかしながら、活動スタイルを時代に併せてバージョンアップさせなければ、組合役員はおろか、組合員も労働組合への関心が希薄化するであろう。既に想像以上のスピードで希薄化が進んでいるのではないか。
加えてアナログ方式は時間がかかる上、資源の浪費にもつながる。このような非効率性な方式は、組合活動と生活・仕事の両立が出来ない大きな要因であると考える。
労働組合も時代に併せて進化しなければならない。初期投資や組合役員のデジタルスキルの向上など、乗り越える壁はあるが、労働組合として変えられるものを変える勇気を持って、デジタルツールやクラウドベースのシステムの導入などによる効率的かつ抜本的なデジタル化を進めるべきである。そして、組合役員が組合活動と生活・仕事の両立が出来る環境を整えることが組合役員の人材確保や人材育成の仕組みづくりの土台となると考える。
インタビューの中で「会社に入って組合役員をやるとは考えもしなかった。」、「組合活動に従事する中で、会社に入ってなぜこの活動をしているのか自問自答することもあった。」との発言があった。これは組合役員経験者の誰もが経験することであり、ごく当たり前のことである。
つまり、インタビュー調査で明らかになった「組合役員の隠された魅力」が言葉のとおり隠されたまま表に出ていないことが正にインタビューの発言に繋がっているのである。
したがって、「隠された組合役員の魅力」を組合内外に発信させることが重要である。
例えば労働組合が新入組合員の教育研修で労働組合の歴史や意義を説明するが、組合役員にどのような人がいて、その組合役員がどのような活動をしているかまでは、説明しないのではないかと推測する。こうした機会で、インタビュー調査結果にあった組合役員の体験談から、組合役員の魅力についてアピールしていかなければならないと考える。
組合役員には、比較的に相手との会話を円滑に進められるコミュニケーション能力が高い人が多いが、その能力を組合役員同士でしか発揮する機会を設けていないことも多く、能力が活かされていないことも多々あると考える。
そして、労働組合の活動は、組合員や外部にも発信するが、組合役員がどのような活動をやっているかなどの、労働組合内部のことを発信することに対して、極めて保守的であると感じる。
これが、組合役員の隠された魅力の、「隠された」に繋がっているといっても過言ではない。組合役員の人材確保のためには、例示したような機会を捉えて、組合役員の魅力を組合員や企業に対してもオープンに発信する、ポジティブキャンペーンを積極的に行うべきであると考える。
組合役員を引き受けるきっかけは、企業の上司から打診あるいは組合役員からの勧誘が主流である。特にA労働組合では企業の上司からの打診がほとんどであった。かく言う筆者も企業の上司からの打診により現在に至るのであった。インタビュー調査では、引き受ける際に組合役員の魅力について、説明なく引き受けているケースがほとんどであり、その後、組合役員になってから、やっと組合役員の魅力に引き込まれていくものであった。
つまり、組合活動の魅力が労働組合内部で留まり、組合役員を担う組合員に、組合役員の魅力が伝わらない状況となっているのでは、と考える。それでは、優秀な人材確保をすることは難しい。
例えば、組合員に対して、広く組合役員の公募をするのはどうだろうか。組合役員は、通常民主的に選挙で選ばれる。それは推薦ないし立候補により選出される。公募をすることで、能動的に組合役員をやりたい人も立候補することができる。当然、公募となるため、一定程度面談等の適正の判断や、企業側の理解も必要となるが、公募制度にはメリットも多くある。
組合員は、自ら進んでなりたい組合役員になり、自分の思い描くキャリア形成に沿った組合活動ができるので、必然的に活動へのモチベーションが上がり、組合活動の活性化に繋がるのではと考える。
また、公募する労働組合としても、意欲が高い人材を迎えられることにつながると考える。全組合員に対して行うことは容易ではないが、まずは、青年活動イベントから公募を取り入れていくべきと考える。
今回のインタビューでは、3名の職場復帰した組合役員経験者へインタビューを行った。最も組合活動の魅力を知っており、職場に戻っているため、労働運動を担う人材となる組合員に一番近いという強みを持っている。更に、インタビューの中では、3名共に、組合役員は魅力あるキャリアであると断言していたのである。長年組合役員として労働組合活動に従事してきた知見やノウハウを、退任してしまったからと言って発揮できないことは非常に惜しいことである。この、退任した組合役員との接点を上手く活かせないか。
組合役員を退任したため、組合活動を主体に取り組むことは難しいと考えるが、退任後に有志で、「語り部」としての職場委員に任命し、組合員と日常的に接しながら組合役員の魅力について宣伝することはできないだろうか。
例えば、春季生活闘争の情宣活動が行われた際に、語り部の組合役員経験者が、組合役員がどのように関わっているかを組合員に宣伝することによって、組合役員の活動に関心を示してもらうことができるのではないかと考える。
退任者の意向や、労働組合規約、企業との調整等が必要となるが、労働組合として組合役員の人材確保のために、あらゆるコネクションを活用すべきと考える。
組合役員のほとんどが、長い職業生活のごく一部分を組合側で過ごす。A労働組合で言えば3~4年で交替し、会社へ戻り、通常の職場生活を継続していくのである。その長い職業生活の中で、引き受けたきっかけはどうあれ自身のキャリアプランの一つとして組合役員を担うことを選択している。
そのような中で、Fさんがインタビューで「組合役員として続けていくのか、職場に戻るのか、先行きを示されないことは不安であった。」と発言したように自身のキャリアプランで組合役員を担うことに一抹の不安を抱いているのである。
組合役員を担うことにネガティブな意識を抱かせないように、OJTだけの育成に頼らず、労働組合として、組織立っての組合役員の育成をするべきであると考える。
労働組合として、組合役員の継続に関わらず、例えば3~5年といった中長期スパンで組合役員の能力開発計画やキャリア開発計画を立てて、示していくことが必要である。その育成計画で、組合役員のキャリアゴールの一つを三役として、組織対策、賃金・労働条件、政治などの業務から、組合役員の適性を見極めながら配置や教育を行い、労働組合の中で、組合役員の人材育成について、充分にコミュニケーションをとるべきである。
組合役員の人材不足は課題であることを、各労働組合で十分に認識していると考えるが、果たして、組合役員に対し、責任ある人材育成を行っているのだろうか。改めて一人一人が見つめ直し、組合役員の成長と、労働組合の活性化に結びつけていくべきと考える。
組合役員の人材確保や人材育成が今日明日で解消するものではない。しかしながら、インタビューした組合役員全員が、既に職場復帰している場合であっても、組合活動に前向きであり、決して後ろ向きな結果ばかりではなく、組合役員の魅力については確かな実績と希望があることがわかった。
労働組合として、この組合役員の魅力を隠されたものではなく、着実に組合内外へ発信し、人材の確保につなげていかなければならない。
また、人材確保したら終わりではない。組合役員の継続意思に関わらず、その人個人のキャリアに寄り添った人材育成をしていくことが、労働組合への愛着や組合役員としての成長に繋がるといっても過言ではない。
多くいる組合役員の中で、1人でも労働組合に残れば良いといった考え方もあるが、人材不足の日本で、いつまでその考えが続くだろうか。手遅れになる前に、労働組合も変わっていかなければ過去の産物と言われかねない。
本提言が、これからの未来の労働運動を担う組合役員が生まれる環境づくりに繋がるきっかけとなることを祈念し、本稿の結びとする。
引用文献