『私の提言』連合論文募集

第7回入賞論文集
優秀賞

組合活動の基本はコミュニケーション!

井上 由香
(UIゼンセン同盟 ユニチカユニオン坂越書記)

1.はじめに

 労働組合の活動方針の中で、『組合員とのコミュニケーションを!』というスローガンを掲げている組合は多いと思います。組合員とのコミュニケーションといっても、職場環境が違ったり、年齢層も違うと結構対応が難しいというのが現状だと思います。何か糸口を見つけてコミュニケーションを取る方法があるのではないでしょうか。組合員自身に何か困ったこと(仕事・体調・家族のことなど)が発生すると、必然的に職場での話し合いということになりますが、なかなか言い出せないこともあると思います。職場での悩みやストレスに関しては、職務上影響の少ない組合には、比較的話せることも多いのではないかと思います。話すだけで楽になることもあるはずです。また、共済等の金融商品を取り扱う関係上、組合員のお金の相談も数多く受けてきました。その時にいつも思うことは、「もっと組合として力になれないだろうか」ということです。近年、労働組合の役割が希薄化する中で、組合員といろいろな形でコミュニケーションをとり、力になってあげることで、組合員を元気にすることが出来れば、それは支部全体の活力にも繋がると思います。それは結果として組合の活性化に繋がるのではないでしょうか。私の書記業務を行ってきた経験を通じ、どうすればコミュニケーションを促進し、組合活動が活性化出来るかを考えてみたいと思います。

2.人を取り巻く社会の情勢

 近年、「職場のメンタルへルスについて」大きく取りざたされ、長時間・過重労働の問題で、随分ストレスを感じて働いている労働者が多いと報道がされています。最近の厳しい経済状況の中で、どこの職場も助け合いや、相談、ちょっとした声掛けなどコミュニケーション力が非常に弱くなり、職場内で少し回りの人に目を向けたり、気遣ったりする余裕すら無くなってきているのが現状ではないかと思います。
今、なぜコミュニケーションなのでしょう。「コミュニケーション」とは、大辞林の辞書で調べると、「人間が互いに意思・感情・思考を伝達し合うこと」と記されています。そうすると、こんなに便利な世の中で意思・感情・思考の伝達が出来ていないのでしょうか。
携帯電話、メール、インターネットなど、ここ数年のコミュニケーションに関する機器は、ハード面、ソフト面共に、とても早いペースで進歩しています。一昔前に比べ、本当に人と人が何処でも直ぐに繋がっているように思えてしまいます。しかし、現実は必ずしもそうではないようです。
いつも研修会の内容を検討する時によく意見に出るのが、「職場のコミュニケーションスキルを磨く!」というテーマを取り上げてほしい!という声です。「今更なぜ」と思ってしまいます。世の中全体で、「なんか話し難くなってきている・・・」 そんなことを感じている人が多いということなのでしょう。いったい組合は何か出来ることがあるのでしょうか。また組合での取り組みだけでなく、会社への提案・労使合同での取り組みなど、単組独自でも出来ることはあるはずだと思っています。ただ、最近は「組合離れ」の影響か、組合の活動や行事に、なかなか人が参加してくれません。これは、便利な世の中になり、個人のニーズが多様化し、個人単位でも十分に楽しめる時代になったことが主な原因ではないかと思っています。しかし、「組合離れ」の原因はそれだけではないように思います。組合は組合員の話や意見に耳を傾け、それに対応していくボトムアップ的な活動が基本であり、それを重視すべきであると思っています。しかし、最近その基本が感じられなくなったのではないでしょうか。その原因として組合組織の巨大化があると思います。多様化する組合員のニーズを満たして行くためには、支部や一つの事業組合だけではとうてい不可能なことです。組合員のニーズを叶えるために組合は組織・活動とも規模が大きくなった反面、本来のボトムアップ的な活動から、トップダウン的な活動になってしまったのではないかと思います。私達組合員が望んだ事を叶えるために大きくなった組合が、組合離れをより加速させているように思われてなりません。
私は現在組合員が約80名、関連労組が約30名在籍している支部の書記局をしています。書記局業務といっても、一日組合事務所で仕事を行っているわけではなく、週何回かの午前中は会社の仕事も行っています。委員長も非専従で、仕事と組合活動の両立を行っていますので、組合の事務所には私しかいない時がほとんどです。その為、組合の窓口として、内部・外部からの対応を一人で行う事が多くあり、支部の窓口として恥ずかしくない対応を心がけています。
支部の書記局という職務柄、様々な研修会・講習会・レク行事等の組合行事に参加しています。参加してみると勉強になることや、楽しいこと、個人では体験出来ないことがあります。いろいろな組合員の方に、研修会・講習会の参加を呼びかけていますが、反応は良いとは言えません。組合は組合員に「役立つことがある!」と知ってもらえれば変わってくるかも知れません。私は「今の組合も良いところ沢山あるんだよ」 と伝えていきたいと思っています。その為にどのようにコミュニケーションを取っていけば良いのでしょうか。そんなことを考えているときに若い頃の体験を思い出しました。

3.相談業務を通じて見えた課題

(1)相談員としての「自分の成長」
多くの人は大小様々な思いを抱えながら仕事をしているのだと思います。過去に私も仕事をしていく中で、結構悩んでいたことがあり、そんな状態の時にこんなことがありました。
ある日、先輩の組合員が組合事務所にやってきて、手続きをしました。終了後、私の組合の作業について時間をかけて丁寧にアドバイスをしてくれました。本当に的確なアドバイスで「これはすごいな!」と思いました。
私はこの話で心のスイッチが「パン!」と入り切り替えが出来ました。本当にありがたい経験で、きっとこの話がなかったら、しばらくどんよりと悩みつづけていたと思います。ほんの数十分の会話で、私のように救われる人間がいます。この貴重な体験を何としても生かしていきたい。今の様々な職場の中で、本当に親身に相談にのり、的確にアドバイスを行ってくれる上司や同僚がどれくらいいるのでしょうか。私は、職場の働く仲間が、肩肘張らずコミュニケーションを取れるようにしていきたい。また、笑顔で元気な職場の仲間が増える事を願っています。私も社会人になって、少し経験を積んできました。決して人に自慢できる経験はないけれど、今までやってきた経験を生かせば、昔の私のように救われる人もいるかもしれません。でも、人と接する時にどのような事に気をつければよいのでしょうか。

(2)コミュニケーションを取るために自分自身で心がけること
以前、『ワーク・ライフ・バランス』の研修会に参加した時、講師の方から印象的な言葉を聞きました。
~自分の親友になりましょう~
自分の親友って?衝撃的な言葉でした。いつも、他の人の相談業務を行っている私にとって、とても新鮮な言葉でした。 親友になるということは、客観的にまた親密に相談者にあるということです。私は、自分自身果たして親友のように相談に乗っているのでしょうか???と疑問に思うことがあります。自分にちゃんと相談に乗っているのだろうかと。正直、なんとなく解決もしないようなことをいくつも抱えているような気がします。皆、自分自身常に向き合っている人が何人いるのでしょうか。今回、コミュニケーションについてまずは自分自身を少し整理しておくことが必要なのかもしれません。私が組合の相談業務を行う中で、セルフコントロールが出来なかった事で、体験した苦い経験を紹介します。

(3)セルフコントロールの必要性
日頃組合の相談業務の中で沢山なことに出会います。一言でいって、相談業務といっても広い・・・。仕事の事や金銭面のことが中心ですが、中には家族のこともあります。確かに、仕事をする上で家族に何かあれば、当然仕事に支障があるわけで、相談業務の中でそのようなプライベートな話を行うこともあります。その度にいろんなコミュニケーションを取ってきました。
私は、直接相談業務があると組合員に「何か力になってあげよう!」という思いで接し対応してきました。時にその思いが強すぎ、冷静さや客観性を失い結果的に組合員に大きな負担を掛けたことがあります。
例えば、ある組合員の場合、性格的にかなり個性的な組合員で、まったくといっていいほど、うその連続で、随分泣かされたことがありました。
一体どうすればいいんだろか・・・。私自身、随分考えたこともありました。後にその組合員に問いただすと、「内容が深いのでやはり言い出せなかった」と言っていました。私も本人のうそを見抜けなかったことに大いに反省しましたが、そこが解決出来ていたら組合員も随分楽になったのだろうと思った次第です。
また、正直に話さない組合員の相談で本当に困ったことがあります。大抵の組合員は、必要な情報を正直に話してくれるので、組合としても適切な対応やアドバイスを行うことが出来、今後の生活に支障なく、家族も問題なく解決が出来ますが、問題の組合員は違いました。やはり最後まで隠し通していたのです。相談内容は金銭面をはじめ様々でした。後で大きな問題となって、それから話をするということもありました。いつもは解決出来ましたが、今回の相談業務は、複雑化しており、自分でも全力で対応にあたっていたつもりでしたが無理でした。自分のコミュニケーション力のなさや、対応の甘さに落ち込むこともありました。
決して一人で相談を行うばかりではありません。内容によって委員長や労金等で「相談者・組合・外部」一緒に協力し解決策を見つけ出す事もあります。
それ以来、組合員と向き合い相談等を聞き、コミュニケーションを行う場合は、下記の内容に気をつけています。

  • 話をじっくり聴く・・・途中で口を挟まず最後までしっかり聴く。
  • 何度か同じ面談を行う・・・最初は緊張したり、警戒される可能性もあるので、何回か同じ様な面談を行い、緊張や警戒心を取り除き、初回で言い出せなかった話を徐々に引き出す。パターンも何度か変えて繰り返すことで、相談者の思いを整理させていくことも出来る。
  • ある程度アンテナを立てておいて、予防線を張っておく。
  • 対応・アドバイスを行った後も、しばらく気をつけ、フォローを行う。

 組合としても相談に係った以上、その時その時で、よりよい解決方法をアドバイスし、相談した組合員にプラスになる方向性を出していく。そんな心の通った暖かみのある対応をしていきたい。そのためにどうすればいいでしょうか。いろいろな組合員と向き合い話を聞いて行く上で、コミュニケーションのツールをしっかり身につけておくことが必要ではないでしょうか。

(4)コミュニケーションを取るための研修は
そんな折りにタイミング良く、上部団体の「カウンセリング講座」のお知らせがあり受講しました。2泊3日という短い時間でしたが、同じ目的の人たちと一緒に勉強が出来たと思います。その講座の中で、「傾聴」の訓練がありました。何度となく「傾聴」の訓練を行う中で、案外、人の話を聴いているようで、聞けていないことに気づき、「傾聴」するということの大切さが良く分かりました。日々忙しく時間も取りづらい現状ですが「傾聴」がおろそかにならないようにしていきたいと思います。その為に、定期的に「傾聴」の訓練を行うことも必要だと思い、私は、コミュニケーションについての研修会があれば、出来る限り受講し、「傾聴」について忘れないようにしています。
特にコミュニケーションの基本である「傾聴」については、役員の方等がもっと真剣に取り組み、積極的に研修会や講座に出向き、訓練を欠かさないように行っていくべきではないでしょうか。ただ、現在の情勢の中、直ぐに2泊3日の講座・研修に人を派遣するのも難しいことだと思います。まず、役員の方がしっかり身につけて、次に裾野を広げて職場委員、組合員へと広げていくと効率的ではないかと思います。一度に沢山の訓練や勉強会でなくても、たとえ30分刻みでもいいので、定期的に教育を継続することで、身につけた役員もその都度、再確認することが出来るのではないでしょうか。

(5)ツールの有効性
近年、自分の思いを伝えるのに、昔に比べて便利になったと思います。特にメールは非常に便利で簡単に自分の思いを伝える事が出来、今の情報伝達の主流になっていると思います。隣の人にも、お願い事や休みの連絡などメールで行う時代です。
先日、他の組合執行部と意見交換した時に「最近、若い人は、本当にメールとか掲示とかで一斉に連絡を行っているが、それだけでは伝わらないのでは?最近若い組合員はドライだから、なかなか興味がなければユニオン活動参加してくれないのでは?やはり一声が必要なんじゃないの?」と。
コミュニケーションとして大きく、①メール・手紙。②電話。③直接会って話をする。の3つがあるように思います。この3つを上手に活用出来れば本当に良いと思います。この3つの使い分けを考えてみたいと思います。

①メール・手紙 とにかく相手の時間など気にせず発信できる。記録として残る。
相手が確認してもらわないと意味がない。
②電話      早く、互いの思いを伝えることが出来る。時間の制約がある。
③直接会って話をする 互いの時間を会わせる必要がある。状況や雰囲気が伝わるし、伝わってくる。

 以前相談者と勤務の関係で互いに時間が調整出来ない時に、先に手紙・電話を繰り返し、最後に直接面談で、随分効率よく相談の解決に繋がったことがありました。
相談や手続きなど、重要な内容は、直接会って話したほうがいい。特に互いに話し合って物事を決めていくような時は、会って話をすることで、思っていたよりも違う話が出てくることがあります。膝をつき合わせて話をするというぐらいの対応の方が安心してくれる場合もあるのではないでしょうか。
また、私はいつも研修会等の募集中に、出会った組合員に一声を掛けるようにしています。そうすると組合員から研修のことについて逆に問い合わせがあったり、以前より興味を持って頂き参加率が上がったように思います。
私は、相談業務を良くするには、相談を受ける側でなく、相談する組合員側に立って考えれば、必然的に何か相談業務に関して見えてくるのではと思います。セルフコントロールや傾聴、そして様々なコミュニケーションツールを上手に使えば、互いに信頼できる組合との関係・人間関係を構築してコミュニケーションを取ることが出来るのではないでしょうか。

4.「相談員」として自分を育てるために

(1)UIゼンセン共済の推進活動を通じた取り組み
①相手の立場に立ってコミュニケーションと推進活動を
私が行っている業務担当のなかに、上部団体のUIゼンセン共済があります。他の産別や労動組合独自で共済を取り組みされているところは多いと思います。
私が加盟しているUIゼンセン同盟の共済は内容がかなり充実してきています。私は、この共済のPRをするとともに、加入促進に努力しています。共済の募集のPRといっても様々で、機関紙を作成し職場に回覧したり、掲示板に共済ポスターを掲示しています。やはりそれだけでは、加入には繋がりません。組合員一人ひとり家庭環境が違うからだと思います。同じ方法で加入促進しても限界があります。年齢も幅広く、独身の方もいれば、既婚者もいます。今まで研修で学んで来たことや過去の経験を生かしていろいろと工夫をしています。あくまでも組合員一人ひとりの今後のライフプランにあわせて、加入があるなしに係わらず組合員に役立つような情報も添えて相談を行っています。
例えば、組合事務所へ用事でやってきた組合員に共済加入のPRをするとします。若い方には、老後のために積み立てる年金共済よりも、車を購入する資金や結婚資金を貯める資金という名目で積立共済を進めるほうが、はるかに興味を持ってくれます。具体的に、車を購入すると、自動車保険とか税金とかの費用などプラスアルファの経費が上乗せされることなども添えて話をしています。
また、年配組合員の方から、既存の保険から別の共済へ移行の相談をされたことがあります。パンフレットをもとに説明しましたが、結果として配偶者に相談するという結果になりました。保険は一生のうちで2番目に高い買い物とも言われています。配偶者に相談するということは当然の流れだと思います。ただ、基本的に保険や共済は配偶者任せという家庭が多いことがわかりました。また、保険・共済移行は勇気がいるものです。正直、自分も全部移行するときは、少し気になったものです。
②家族へのコミュニケーションも大切
相談があった時、共済のパンフレットを相談組合員に渡す際、希望の共済のポイントをまとめた手紙とパンフレットを一緒に送るようにしています。パンフレットは、内容がぎっしりで、一通り目を通すのは一苦労だからです。私は、まず相談者の話を充分に聞いて、希望に添った内容を要約し送っています。その要約した内容を見れば、おおよそ理解出来ると思います。後の細かいことは、相談組合員の時間がある時にパンフレットと一緒に目を通してもらいます。より検討してもらえやすくなります。配偶者と相談する場合、その手紙は、配偶者にも見てもらえるので、家族で検討する時には随分役に立っていると思っています。それで何か気になるようなことがあれば、組合員と配偶者一緒に組合事務所へ来てもらったり、組合員に代わって配偶者から組合事務所へ連絡を入れてもらい説明をさせてもらっています。組合員だけでなく家族も巻き込んでのコミュニケーション方法も加入促進に大きく繋がると思います。当支部は、組合員が少ないのでいくらか家族状況も把握できますが、大きな支部だと家族状況の把握も大変だと思うので、広報などを活用し、組合事務所へも気軽に相談・電話など出来るようにアピールしていくのはどうでしょうか。共済に関しては、コミュニケーションも押し付けでなく、相手の状況に応じてやっていかなければならないと思います。
共済は組合員が加入すればするほど掛け金が安くなります。可処分所得を増やすために、不可欠な事です。やはり、組合活動にとって、可処分所得を増やすことは、大事な役目だと思います。
私は、ただ単純に加入促進を目指しているわけではなく、本当に共済は、掛け金も手頃で、保障も充実していると思っています。まず、自分がその内容を良く理解し、本当に良いものであるということに自信を持つことが一番大切だと思います。
私は、もっと共済相談で役に立ちたいと思い、ファイナンシャルプランナー3級の資格を取得し、それによって今まで以上に相談が増え、また相談の幅が増えたように感じています。今後も相談された時のアドバイスが出来る知識を増やしていきます。

 (2)青年女性委員会等外部活動を通じた取り組み
今までは、単組での対応でした。単組の対応とは別に、もう一点触れておきたいことがあります。各組合を超えての活動、上部団体に青年女性委員会があります。私は、そこに参加しています。 本当にそこである意味で鍛えられたと思うのです。はじめは緊張して参加し難くかったと思います。参加者された方で私と同じように感じた方は多いと思います。回数を重ね、徐々に慣れていくうちに、いろいろな方と、顔見知りにもなり、組合活動についての相談や業務内容の相談などいろんなコミュニケーションが取れていくこととなりました。そんなうちに、私に女性委員会委員長の話が舞い込んできた。うまく委員会をまとめている前委員長の後任となると、どのように対応したら良いのかと、散々悩みましたが、「とにかく精一杯やるだけやってみる!」と思い引き受けることにしました。活動を続けていくなかで、とある単組の委員長から「自分が一番楽しまんとあかんよ!」と激励の言葉を頂き、その一言で、肩の力が抜け、それ以来は楽しく活動を行うことが出来ました。また委員の方々や、別の単組の方々より多くの相談事も増えていきました。
青年女性委員会活動の交流でこんなことがありました。ある単組の組合員の方から相談を持ちかけられました。「家の事情で、今後今の仕事も組合活動も続けられない、仕事を辞めないといけないかもしれない。自分は続けたいのだが・・・」と。私は、相談された組合員の会社は、沢山の業種を行っている会社で支店営業所が多くあるので、「今のポジションを異動し転勤を行ってはどうか?」と話をしました。相談者は熱い思いで仕事に組合活動に取り組み活躍されている方なので、私はまだまだ今まで以上活躍してもらいたいという思いで話をしました。後日、相談者から「人事異動になり引き続き仕事も組合活動も続けていける!」という報告を受けました。私は、単組を越えて少しでも役に立てたかと思うと凄く嬉しかったです。
このことが後に私の単組での活動で、今まで以上に自分から声を掛けられるようになり相談業務も増えていったと思います。何か係ることで、自分自身随分相談業務の勉強になったし大きな力となっていったと思います。単組を越えて、互いにコミュニケーションを取り、交流を図っていくことは、とても互いに良い刺激になり、大切なことだと思います。

5.おわりに・・・

 今回この論文をまとめるにあたり、今までの相談業務やその他の作業について客観的に見つめ反省出来良い機会を頂き感謝しています。自分は、まだまだ相談者として努力していかなければいけないと感じました。
私は、「組合活動とコミュニケーション」とは、

  • 組合活動によって職場の働く仲間が、肩肘張らずコミュニケーションを取れるようにしていくこと。
  • 互いに信頼できる組合・人間関係を構築しておくこと。
  • 信頼される組合の窓口となれるように、細部に渡って工夫と努力をしていくこと。

 だと思っています。

 最後に、ユニチカユニオン本部の書記局研修会で相談業務やコミュニケーションについていつも話されることがあります。
「母や姉になったつもりで相談業務にあたるように・・・」と。いつもその言葉を聞くたびに、責任が重いなと思ってしまう。こういう時代だからこそ、このような話が重いと感じるのかもしれない。でも、いつもこの言葉を聞くたびに、「またがんばれよ!」と叱咤激励をもらったようで、ちょっとうれしくもある。
また、もしかしたら逆に相談業務は相談対応させてもらいながら、自分自身にすごく力をもらっているような気がする。自分が困ったときは組合員から何らかの力を自然にもらっているのかもしれない。そんなふうに、互いにコミュニケーションで協力しあい、助けあったりしていくのが職場の仲間・組合の仲間なのだと思うのです。
私は、今後も組合員によって親友になったり・母・姉のようになって組合員に話していきたい。
  私は、いつもその言葉を胸に組合業務を携わっていきたい。そして今後も組合活動を活発にさせていきたいと思っています。

以上


戻る