酒井 裕美子(連合本部)
「連合?よくわからない」大学卒業後、連合への入局が決まった際、親・友人から言われた言葉である。私は、連合の採用試験で「労働組合=弱い立場の労働者を守る正義の味方」と書いた記憶があるが、エントリーする前までは、周りと同じように労働組合、さらに言えば連合について何一つ知らなかった。各種調査からも「労働組合を知らない」、「存在は知っているがよくわからない」「怖そう、過激」といった好意的なイメージとは程遠い存在であることを実感させられる。
少子高齢化がすすむ今、生産年齢人口の縮小や労働組合組織率も低下を続け、依然として17%程度にとどまっている。このような中で、将来を担う若年層への労働に関する教育は、職場における実際的な組合活動の存在と相まって自らの身を守る知恵となり、労働運動の維持にも必要不可欠である。連合加盟の各組織では、組織化していない労働者の卵である学生を対象に、様々な活動を行っているが、更なる充実・強化が求められている。この観点から、各組織の活動においてはその効果についても調べたい。
本論文では、現在の若年層の働き方の状況や抱える問題、労働組合に対する意識などを省庁や連合調査等から把握し、これまでの労働組合の取り組み等を整理したうえで、若年層の意識や価値観を知り、現在の労働組合を身近なものに感じてもらうためにどのような取り組みをすべきか検討したい。
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