第18回マスターコース修了論文集

労働組合における政治活動の充実と組織内議員の擁立に向けて
―組合員とその家族の豊かな暮らしのために―

吉田 歩(基幹労連本部)

<概要>

 基幹労連は「ものづくり産業」の仲間が集う組織であり、日本経済の持続的な発展のためにも、基幹労連に関係する産業・企業の技術力・競争力強化が大きな鍵を握っていると考える。しかし、取り巻く環境変化は厳しく、第4次産業革命による産業構造の変化も起こりつつある。また、生産年齢人口の減少や就業構造の変化から、ものづくりを支える人材の確保が困難となっている。
 「ものづくり産業」の維持・発展、組合員の雇用と生活の安心・安定の実現に向けて、産業政策および政策・制度における課題を掬い上げ、解決につなげることが重要である。その具体的な解決手段として、政治活動の充実や、国会議員および地方議員の協力は必要不可欠であるにもかかわらず、組合員の政治活動への関心が低いことは大きな課題である。
 本稿では、組合員の産業政策、政策・制度、政治への関心と産別内外での議員や支持政党の置かれた状況を確認し、政策実現の課題を抽出する。そして、課題解決に向けた方策を検討し、今後の政治活動の充実と組織内国会議員および地方議員の擁立に向けて、提言を行なう。
 労働組合が政治活動を通じて産業政策や政策・制度課題を解決し、組合員とその家族の安心で充実した暮らしにつなげる役割を果たすために、できることを考察したい。

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